フィリーズ イチロー&上原のダブル獲り検討 資金力豊富

[ 2012年11月23日 06:00 ]

フィリーズが上原とのダブル獲得を狙うイチロー

 フィリーズがヤンキースからフリーエージェント(FA)となったイチロー外野手(39)と、レンジャーズからFAの上原浩治投手(37)のダブル獲得を検討していることが21日(日本時間22日)、分かった。フ軍は今季、ナ・リーグ東地区で6年連続優勝を目指したが3位に終わり、プレーオフ進出を逃した。V奪回には1番打者とセットアッパーの補強が急務となっており、両選手の調査に入っている。

 イチローに強い関心を示しているのは、再契約を望むヤンキースだけではなかった。フィリーズの球団関係者は、ヤ軍移籍後に67試合で打率・322を残した成績を評価。「まだ160試合プレーする力は残っている。外野手として、シーズンを通してまだ十分活躍できると思う」と話した。

 フ軍のオフの課題の一つは中堅手獲得だ。最大のターゲットはレイズからFAとなったアップトンだが、ブレーブス、ナショナルズなども参戦して争奪戦が過熱。ただ1番打者タイプではないため年間29盗塁と俊足も健在なイチローを並行して調査している。中堅の守備は最近4年間で7試合と本職ではないが問題はない。07年オフには本職が二塁の井口(現ロッテ)を三塁手として獲得に動いたように、フ軍では攻撃力がより重視されるためだ。

 投手では上原の名前が挙がる。チームは今季3試合の登板を視察しているといい前出の球団関係者は「昨年より明らかに良くなっている」と高く評価。対左打者の被打率は・188と、打者の左右関係なく起用できるのが魅力で、現時点ではセットアッパーを任せたい意向だという。

 毎年世界一を狙えるだけの戦力を整えるフ軍は、選手にとっては魅力的な球団。今季開幕時の球団総年俸は、リーグトップの約1億7395万ドル(約143億円)と資金力は豊富で、イチロー、上原のダブル獲りに向けた今後の動向が注目される。

 ▽フィラデルフィア・フィリーズ 1883年創設の古豪。1980年にピート・ローズ、マイク・シュミットらを擁してワールドシリーズを初制覇した。地区優勝10度(81年前期含む)、リーグ優勝7度、世界一2度。チーム名はフィラデルフィアの俗称「フィリー」が起源。本拠はシチズンズバンク・パーク。日本選手は井口資仁が07年後半に在籍し、08年9月に復帰。田口壮は08年に在籍した。監督はヤクルト、近鉄でプレーし「赤鬼」の愛称で知られているチャーリー・マニエルで、05年から指揮を執っている。

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2012年11月23日のニュース