鳥谷 WBCは二塁起用も 今夏球宴で初体験、適性問題なし

[ 2012年11月23日 06:00 ]

今夏の球宴で巨人・坂本(右)と二遊間を組んだ阪神・鳥谷

 阪神の鳥谷敬内野手(31)が二塁手として侍ジャパン候補に選出される可能性があることが22日、分かった。WBCの日本代表候補は28日のスタッフ会議で33人が選出される予定。過去2回の大会で二塁は、西岡剛内野手(28=当時ロッテ)、岩村明憲内野手(33=当時レイズ)が務めたキーポジションだ。阪神の正遊撃手ながら、今夏の球宴で二塁を守った鳥谷が侍ジャパンのキーマンになる。

 たとえ本職でなくてもいい。侍ジャパンは柔軟な考えで戦力を求める。オファーを出した日本人大リーガーの参加が全滅し、純国産のメンバー構成が確定。28日に都内で行われるスタッフ会議では、あらゆる角度から可能性を探す。その筆頭が鳥谷となる。

 国内ではトップクラスの遊撃手。安定した守備力とシュアな打撃で、山本浩二監督がかねて「(FAでメジャー移籍せずに)残留なら、当然候補に入ってくる」と高く評価。すでに選出されている50人の候補枠に入っている。28日は、そこから33人に絞り込む。川崎(マリナーズFA)が辞退した遊撃手候補には、鳥谷のほか、本戦で3番起用が有力な巨人・坂本、中日・井端ら。一方、二塁手はソフトバンク・本多だけと手薄で、キューバ戦では二塁も守れる井端がバックアップ要員を務めた。そこで、鳥谷を二塁で使えれば、足のスペシャリスト・本多を代走要員にも回せる。

 二塁手としての適性について、侍ジャパン関係者は「鳥谷は二塁手としても十分いけるだろう」と分析している。阪神では05年以来、不動の正遊撃手。だが、松山で開催された7月21日の球宴では、二塁手としてスタメン出場した。プロ入り後は未経験のポジションながらも、4―6―3の併殺を完成させるなど、安定感抜群の守りを見せ、試合後には「見える角度が全然違ったから違和感があったけど、たくさん打球が飛んできていい経験になった」と語っている。侍ジャパンでシニアアドバイザーを務める巨人・原監督も、その機敏な動きはチェック済み。打撃も今季こそ打率・262に終わったが、昨年、一昨年は3割台。選球眼の良さにも定評があり、高い出塁率も期待できる。

 過去2回のWBCで二塁手は西岡、岩村が務めた。ともに安定した守りとつなぎの打撃で連覇に貢献。特に06年の第1回大会の西岡は、本職の遊撃手からのコンバートだった。鳥谷も同じパターンで、世界3連覇への鍵を握ることになる。

 ≪二塁での出場ゼロ≫鳥谷(神)の守備別試合数を見ると、遊撃が1196試合、三塁が30試合となっており、二塁は経験がない。また、三塁を守ったのは新人だった04年のみで、2年目以降は遊撃専任だ。なお、今季の球宴では第2戦(松山)でプロ初の二塁手として先発出場。6回まで守ったが、6度の守備機会を無失策で切り抜けた。

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2012年11月23日のニュース