鳥谷、FA権行使せず…主力移籍&引退の阪神に朗報

[ 2012年11月12日 06:00 ]

FA権を行使せず、阪神残留を決めた鳥谷

 阪神・鳥谷敬内野手(31)が今シーズン中に取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使せず、球団に残留する意思を固めたことが11日、分かった。既に平野恵一内野手(33)が国内FAを行使。流出が濃厚なだけに、球団にとっては朗報となった。

 鳥谷は早大時代からメジャーへの憧れを抱いていた。今年10月にも「メジャーか残留かは正直、五分五分。これからゆっくり考えたいと思います」と自身の夢について言及。一方で「(阪神には)お世話になってきましたし、愛着はあります」と、悩める胸中を吐露していた。シーズン中にはダイヤモンドバックス、ツインズ、インディアンスなどが試合を視察。移籍への環境は整っていたが、鳥谷は熟考の末に「残留」を選択した。

 今季からは貴重な生え抜き選手として、野手キャプテンに就任。しかしチームは2年連続Bクラスとなる5位に終わった。加えて金本、城島の主力が引退。藤川がメジャー移籍とチームは過渡期の真っただ中にいる。それだけに鳥谷の心の中に「自分が」との思いが芽生えても不思議ではない。球団側も将来の幹部候補生と位置付けており、粘り強く残留を要請し続けていた。

 さらに、球団は10月23日の交渉で異例の「単年契約」を提示。本来ならFA契約の場合、大型の複数年契約となるのが通例だが、単年契約は鳥谷が来オフにメジャー挑戦をできるように配慮したもの。球団は最大限の誠意を示して「1年間の残留」にこぎつけた。鳥谷は早ければ、12日にも球団に残留の意思を伝える。来季は節目の10年目。生え抜き野手として、チームをけん引する役割が期待される。

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2012年11月12日のニュース