ワイルドになるぜぇ~斎藤に「スギちゃん流?」指令

[ 2012年5月15日 06:00 ]

移動のため東京駅で新幹線を待つ斎藤

 日本ハムの斎藤佑樹投手(23)が14日、吉井理人投手コーチ(47)から「ワイルド指令」が出された。同投手は12日の西武戦(函館)で自己最多9失点KO。初経験の地方球場の環境に適応できない、ひ弱さを露呈した。課題克服のテーマは脱・優等生。人気ピン芸人・スギちゃんが「ワイルドだろぉ~?」で大ブレークしているが、2年目の飛躍を目指す右腕にとっても重要なキーワードとなる。

 これがスギちゃん流。いや、吉井流だ。斎藤は12日の西武戦で2回を持たずに自己ワースト9失点KO。現役時代に日米通算121勝をマークした吉井コーチは「投手は少しぐらい野蛮でワイルドな方がいい」と、大炎上した2年目右腕に課題克服の3カ条を送った。

 (1)失敗を恐れるな 野性的に目の前の敵をやっつけることに集中しろ。制球なんて考えていたら自分の投球はできない。ダルだって開幕戦で7点取られたことがある。失敗は誰にでもある。道を歩いて犬のウンコを踏んだようなもの。

 (2)喜怒哀楽を出せ マウンドで出し過ぎると少し問題あるが、味方の前ならばいい。最近は悔しいときに少しだけ顔や態度に出るようになったが、もっと出してもいい。

 (3)八つ当たりOK 人のせいにしたい時は、すればいい。勝負師として“なんじゃ、コイツ”と思われた方が勝ち。戦う姿勢が表れている。

 函館で斎藤がKOされたのは気温11度と寒く、風速12メートルの強風で砂ぼこりが舞う悪条件。ところが、西武の石井一は寒さを気にせず半袖で好投。技術ではない。環境に対応できない、ひ弱さはメジャー経験もあるベテラン左腕のたくましさとは対照的だった。

 斎藤も自覚している。「経験のある人はどんな環境でも普通に投げる。自分もワイルドになりたい」。ハンカチ王子と呼ばれた早実時代から爽やかなイメージでマウンドさばきもスマート。吉井コーチもメジャー時代に全米野球記者協会から人柄を評価される「グッドガイ賞」に選ばれたように普段は陽気だが、マウンドでは別人だった。ヤクルト時代には簡単な飛球を落球した稲葉をベンチで烈火のごとく怒った伝説もある。そんな姿を見て、ナインは勝利への執念を感じた。

 斎藤は昨季左脇腹痛で離脱したため、交流戦は初めて。19日の広島戦(マツダ)を皮切りに、タフさが要求される屋外球場で3度の先発が予定されている。「脱・優等生」。交流戦ではワイルドな佑ちゃんが見たい。

 ▽スギちゃん サンミュージックプロダクション所属のピン芸人。ジーンズ生地のノースリーブと短パン、はだしという格好でワイルドキャラを確立。「○○だぜぇ~?」「ワイルドだろぉ~?」のギャグで大ブレーク。「R―1ぐらんぷり2012」で初めて決勝進出し準優勝に輝いた。

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