谷繁が吉見に独り立ち指令「自分で調整できるように」

バッテリー賞受賞に笑顔の（後列左から時計回りに）田中、吉見、谷繁、嶋

「最優秀バッテリー賞」表彰式

　ベテランの女房役からエースに「独り立ち指令」が出された。自身４度目の最優秀バッテリー賞受賞。谷繁は一緒に壇上に上がった吉見について「やっと一人前になってくれた。僕がいつ辞めてもいいように、自分で調整できるようになってくれれば。次は僕以外の捕手と（賞を）獲るんじゃないですかね」と話した。

　リーグ最多の１８勝（３敗）、防御率１・６５で２冠。文句なしの成績を残した吉見のボールを直接受けてきたからこそ、成長ぶりが分かる。今月で４１歳となるベテラン捕手は、２７歳の右腕が「独り立ち」してこそ、さらに上のレベルに到達できると信じている。

　「あとは好不調の波をもう少しなくしてほしい。ここまで来た投手ですから」。大先輩からのエールに、吉見も「この賞は本当にうれしい。僕は谷繁さんについていっただけ」と頭を下げた。来季へ向けては「チームは３連覇。個人でもしっかりと目標を持って、投げる試合は勝ちたい」。エースの自覚たっぷりの口調は、何とも頼もしかった。