こちらも弁護団10人で対抗!清武氏 渡辺会長を提訴

[ 2011年12月14日 06:00 ]

会見中、硬い表情を見せる清武前球団代表

 コーチ人事をめぐる内部告発などで巨人を解任された清武英利前球団代表兼ゼネラルマネジャー(GM=61)、代理人の吉峯啓晴弁護士(62)ら弁護団3人が13日、巨人と読売新聞グループ、渡辺恒雄球団会長(85)に取締役の不当解任、名誉毀損(きそん)されたなどとして、計6220万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めて東京地裁に提訴した。

 都内で会見に臨んだ清武氏の表情は硬かった。「こういう裁判になって非常に不本意。しかし(コーチを)守るのが取締役の務め。コーチにも動揺はあったが、最初に人事をひっくり返そうとした渡辺さんの虚偽発言から発している」

 29ページに及ぶ訴状によると損害賠償の大きな内訳は3点。取締役だった清武氏が渡辺球団会長を内部告発したところ、正当な理由なく解任したとして取締役在任期間中得られるはずだった報酬分の5220万円の損害賠償。巨人と読売新聞グループと渡辺球団会長が、虚偽事実を含む報道で清武氏の名誉が傷つけられたとして1000万円の慰謝料を求めた。さらに、巨人軍と渡辺球団会長に連帯して読売新聞本紙に謝罪広告(広告代1300万円)の掲載を要求するなど請求総額は約7600万円に及んだ。

 5日には巨人と読売新聞グループ本社が、渡辺会長への批判会見で名誉毀損されたと、清武氏に対して総額1億円の損害賠償を求めて同地裁に提訴している。渡辺球団会長は「10人の最高級の弁護士を用意している」と語ったが、清武氏も弁護団10人を結成。1回目の口頭弁論は来年2月2日を予定している。「巨人は誰のものかに尽きる。事実は必ず明らかになる」と清武氏。コーチ人事などをめぐって発生した内紛はいよいよ法廷闘争に委ねられる。

 ☆巨人と読売新聞グループ本社の清武英利前球団代表兼ゼネラルマネジャーに対する訴訟
 今月5日、渡辺恒雄球団会長への批判会見で名誉を毀損(きそん)されたなどとして、総額1億円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴。訴状によると清武氏が11月11日に記者会見を開き、会社法が定める「忠実義務」などに基づき、会社の秘密情報を明らかにしたり、名誉や信用を毀損したりしてはいけなかったのに違反したとしている。訴状には過去にロス疑惑の三浦和義氏、薬害エイズ事件の安部英帝京大元副学長の弁護を担当し、無罪を勝ち取っている喜田村洋一弁護士ら10人の弁護士の名が書き連ねられた。

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2011年12月14日のニュース