黒田13勝目 残留ラブコールも「ゆっくり考えます」

[ 2011年9月24日 06:00 ]

<ドジャース・ジャイアンツ>7回0/3を無四球2失点の黒田は今季の本拠地最終戦で13勝目を挙げた

ナ・リーグ ドジャース8―2ジャイアンツ

(9月22日 ロサンゼルス)
 今季限りでFAとなる2人の日本人選手が22日(日本時間23日)、本拠地最終戦に臨んだ。ドジャースの黒田博樹投手(36)はジャイアンツ戦で7回0/3を5安打2失点と好投し、自己最多を更新する13勝目。FA市場で先発の目玉となる右腕に対し、ネド・コレッティGM(56)は再契約を熱望したが、黒田は日本球界復帰への思いも強く、オフは再び難しい決断を迫られる。また、アスレチックスの松井秀喜外野手(37)には球団の営業部門が残留のラブコールを送った。

 本拠地最終戦。4点リードの8回無死一塁でマウンドを降りる黒田に、3万7560人はスタンディングオベーションで拍手を送った。「いい投球をしたからでしょう」と照れを隠したが、それだけじゃない。背番号18は見納めかもしれない。トレード騒動の7月にド軍残留を選んだことへの感謝も込められているような大歓声だった。

 「序盤に点を取ってもらったのでストライク先行で投げられた」。2本のソロを浴びたが、8回途中まで92球で5安打2失点。無四球で自己最多の13勝目を手にした。

 1年契約が切れる黒田について、コレッティGMはこの日「再契約したいと思っている。内容から見れば、勝敗(13勝16敗)は逆でもおかしくない。いい答えがもらえると信じている」と、全力で再契約交渉に臨む方針を示した。味方の援護がない中、防御率はリーグ10位の3・17。黒田は「数字だけでなく、自分のやってきたことを評価してくれるのはうれしい」と語ったが、去就については「シーズンが終わってからゆっくり考えます」と答えるにとどまった。

 黒田は将来的には古巣・広島に復帰したい強い思いを持っており、3年契約が終了した昨オフも悩み抜いた末にド軍残留を決断した。今オフは市場価値がさらに高騰。フィリーズのスカウトは「FAの目玉」と断言するなど、FA申請すれば、今季年俸1200万ドル(約9億1200万円)以上での争奪戦は確実だ。残留、FA、日本の選択を再び迫られている。

 残るは27日(日本時間28日)のダイヤモンドバックス戦1試合。自身初のシーズン200投球回到達まであと4イニングだ。首痛は残っているが、黒田は「最後まで投げ切った方が充実感がある。あと1試合、頑張ろうと思う」と完全燃焼を誓った。

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2011年9月24日のニュース