かつての仲間も心一つに…スタンドに響いた「相双」コール

[ 2011年7月14日 19:50 ]

福島大会1回戦 相双連合1―8喜多方

(7月14日 あづま)
 14日に行われた全国高校野球選手権大会福島大会で、福島第1原発事故の影響で部員不足に陥った双葉翔陽高、富岡高、相馬農高の3校による「相双連合」は、1回戦で七回コールド負け。だが、最後の七回に、富岡高から参加の中村公平選手(18)がソロ本塁打で一矢報いると、スタンドの生徒や保護者が一つになり、「相双」コールが沸き起こった。その中には、福島第1原発事故で地元を離れざるを得なかった仲間の姿もあった。

 「僕の分まで野球をしてくれた。ありがとう」。試合後、震災前に双葉翔陽高の主将を務めていた遠藤真弘君(17)が涙ながらに話した。連合チームの主将、遠藤剛司選手(18)とはいとこ同士。東京都に転校した後も、メールや電話で連絡を取り、仲間の様子を常に気にかけてきた。

 「(双葉)翔陽のメンバーでいたい」。元マネジャーの石原悠衣さん(17)は、同校のユニホームで声援を送った。新潟県柏崎市に転校したが、野球部入りは断念。避難生活で苦しい家計への配慮もあった。「とにかくお疲れさまでしたと声を掛けたい」と話した。

 スタンドには、保護者のほか、富岡高の生徒24人と、双葉翔陽高の生徒約160人が詰めかけた。同校はこの日、震災後初めて全校生徒が集まった。応援の間にも「久しぶり」と再会を喜び合う声が聞こえた。

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2011年7月14日のニュース