センバツ応援に感謝…東北「恩返しの夏」コールド発進

[ 2011年7月14日 06:00 ]

初戦を突破し、校歌を斉唱する東北高ナイン

宮城大会2回戦 東北8―0志津川

(7月13日 仙台市民)
 「恩返しの夏」へ、東北が好発進だ。今春センバツ後初の公式戦となった志津川戦で7回コールド勝ち。上村主将は「最初は緊張したけど、中盤からいいプレーができた」と満足げだ。

 センバツでは東日本大震災の影響で調整不足が響き、初戦の大垣日大戦に0―7の完敗。それでも被災地である地元、そして日本中から声援を受けて戦い抜いた。「センバツで応援してもらった人たちに、夏の甲子園でも自分たちのプレーを見てもらいたい」。甲子園で春の感謝の気持ちを体現するまで負けられない。

 新たな戦力も加わった。春はベンチ外だった福島県南相馬市出身の上田が、背番号16でベンチ入り。出場機会はなかったが、足と守備のスペシャリストとして期待も大きい。津波で親戚6人を亡くした上田は「南相馬市は明るい話題が少ない。少しでも明るい話題を提供したい」。将来は同市で運送業を営む父・由幸さん(40)の仕事を継ぐつもりだったが「今は教師になって生まれ育った街を復興させたい気持ちもあるみたいです」と、父親は愛息のユニホーム姿に目を細めた。

 「観客がいっぱい来てくれた。夏がやっと始まったなと感じた」と上村。東北ナインがさまざまな期待を背負い、夏の第一歩を踏み出した。

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2011年7月14日のニュース