セ・リーグ“珍現象” 右打者がベスト3独占!その要因とは?

[ 2011年5月10日 09:50 ]

 今季のセは9日現在、不利なはずの右打者が打率3傑を独占する珍現象が起こっている。ここでは右打者健闘の要因や、過去の同様のケースなどを振り返ってみる。

 打者は右打ちよりも左打ちが有利といわれる。それは右打者よりも一塁ベースに近いことや、対戦するうえで球の出どころが見やすい右腕が左腕に比べて多いからだ。実際、過去の首位打者数を見ても右の52人に対し左が79人と圧倒(他に両打ち7人)。また、セ3傑に占める左右打者の年代別割合を見ても、左打者が優勢で右打者が上回ったのは90年代しかない。

 ところが、今季のセは様子が違っている。セ打撃成績を見ると1位広瀬(広)、2位畠山(ヤ)、3位宮本(ヤ)とベスト3を右打者が独占。左打者は前年首位の青木(ヤ)がやっと5位に食い込むという状況なのだ。セで打率3傑を右打者が独占したのは、過去61年間で50、71、75、03年の4度だけ。ちょっと気は早いが、今季は珍しいそろい踏みが見られるかもしれない。

 右打者躍進の背景には左腕投手の援護もあった。昨季と今季の左腕の左右打者別被打率を見ると、対左打者に大きな変化が表れている。本来抑えるべき左対左で昨季は・260と打ち込まれていたが、今季はここまで・194とリベンジ。一方、右打者には昨季と大差ない・279を許しており、右に打たせるだけでなく、左を封じる二重のアシストを見せているのだ。

 なお過去の打率3傑右打者独占のうち、75年は広島の山本浩二が初の首位打者に輝き、チームを初Vへと導いている。現在打率トップの広瀬にとっては入団5年目まで監督として指導を仰いだ恩師。広島の優勝はその山本氏が率いた91年が最後となっており、広瀬には、初タイトルで20年ぶりのV貢献という、大先輩になぞらえた活躍を期待したい。

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2011年5月10日のニュース