巨人、異例の緊急補強!高橋獲得、背番号31

[ 2011年5月10日 06:00 ]

巨人へのトレード移籍が決まった高橋

 巨人は9日、日本ハムの高橋信二捕手(32)を金銭トレードで獲得したと発表した。開幕から20試合時点という早期の緊急トレード。借金1からの浮上へ向けて、リーグ5位のチーム打率・232と不振の打線強化が最大の目的だ。高橋は主に一塁手を務めるが代打の切り札、さらに第3の捕手としての役割も期待される。背番号は31に決定した。

 開幕からわずか20試合での緊急トレード。午後8時すぎから東京・大手町の球団事務所で会見した清武英利球団代表は、高橋について「攻撃陣のカンフル剤というか、日本ハムで4番を打ったほどの打者なので打力に期待している。(阿部)慎之助も帰ってきたらもう一度、重量打線として看板を掲げることができる」と強調した。

 実績を残した右の強打者で、一塁手を任せられる高橋の獲得は打線強化が最大の狙いだ。新外国人の三塁手・ライアルが打率・212、今季三塁に挑戦した亀井も打率・244と低迷。高橋を一塁に据えることで、小笠原を三塁に戻す新布陣が可能となる。09年に打率・412をマークして交流戦首位打者になるなど、セ・リーグ相手の実力も証明済み。その交流戦ではラミレスが指名打者に回ることで、より厚みのある打線を組むこともできる。加えて清武代表は「谷、矢野といった右打者に強い刺激を与えてもらいたい」と、右の代打としても期待を寄せた。

 高橋は昨年7月1日西武戦(西武ドーム)で藤田から頭部に死球。内耳振とうでの軽度の聴覚障害などの影響で長期離脱した。今季は沖縄・名護キャンプ途中で腰を痛め開幕から2軍暮らし。しかし2軍では23試合で打率・400、5本塁打の成績を残し「体の方はもう大丈夫。守備もできる」と話していた。中田の成長などで1軍昇格機会はなかったが、09年には4番としてリーグ優勝に貢献した打力は健在だ。

 自身のこだわりで捕手登録のままだった高橋。09年9月4日のヤクルト戦(東京ドーム)での故木村拓也氏のように、有事の際は捕手での出場も可能だ。この日は日本ハム球団広報を通じて「入団からさまざまな経験をさせていただき感謝の気持ちでいっぱい。愛着のあるチームを離れるのは寂しいが、新しいところで一生懸命プレーする姿を見ていただけたら」とコメント。10日に入団会見を行い、新天地でのスタートを切る。

 ▼日本ハム・梨田監督 09年に4番を打って優勝に大きく貢献してくれたことが非常に印象に残っている。持ち前の勝負強さを発揮して、新天地でも活躍してくれることを心から期待している。

 ▼日本ハム山田正雄GM ファイターズ一筋にプレーし、3度のリーグ優勝にも貢献した中心選手ですから、球団として非常につらい判断となりました。現在のチーム編成上、高橋の出場機会が失われており、本人のためにも決断しました。

 ◆巨人最近のシーズン序盤でのトレード

 ◇92年大久保博元(前西武) チームが5位と低迷する中、5月8日に中尾との交換で移籍。同17日の広島戦(東京ドーム)では3ランを放った。同年は84試合に出場し15本塁打の活躍。翌93年10月2日広島戦(同)では第59代の4番に座り一発を放った。

 ◇06年木村拓也(前広島) 高橋由、小久保ら主力に故障が相次ぎ、山田との交換トレードで6月6日に獲得。内外野に捕手までこなす活躍を見せ翌年からのリーグ3連覇に貢献した。

 ◇08年鶴岡一成(前横浜) 阿部の体調が万全でないことから、6月11日に真田とのトレードで獲得。貴重な2番手捕手として活躍し、今季も10試合で先発マスクを務めている。

 ◆高橋 信二(たかはし・しんじ)1978年(昭53)8月7日、岡山県生まれの32歳。津山工3年夏は県大会3回戦で敗退。96年ドラフト7位で日本ハムに入団。03年にレギュラーに定着して捕手ではリーグ2位の12本塁打を記録し、翌04年は自己最多の26本塁打。昨年は7月1日の西武戦(西武ドーム)で藤田から頭部死球を受けた影響もあり、70試合の出場で3本塁打。1メートル82、82キロ。右投げ、右打ち。

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