阪神ファンが発掘した不滅の大記録「甲子園4000試合」

[ 2011年5月10日 12:54 ]

 阪神は今週、球団創設以来、本拠地・甲子園球場での公式戦開催が4000試合の大きな節目を迎える。9日現在、1936年(昭11)のプロ野球初年度から3997試合を行っており「あと3試合」。10日はほっと神戸で、11、12日の甲子園での試合が雨天中止でなければ、13日の中日戦で到達する。

 この歴史的な記録を発見、発掘したのは阪神ファンの会社員、大森正樹さん(44)。球団創設から各年度の試合を逐一、球場別に計算していき、たどり着いた。

 問題は「甲子園ビジター」の公式戦だったという。球団が発行する『阪神タイガース・昭和のあゆみ』やメディアガイドには甲子園での主催試合は数字はあるが、ビジター試合は記載がない。プロ野球のフランチャイズ制導入は48年(昭23)で、定着までは先攻後攻の規則性もなく、甲子園で阪神先攻の試合も126試合(75勝47敗1分け)あった。56、58、59、66、67、68年に主催試合に数えられていない甲子園での試合があった。こうした「隠れた甲子園での試合」も丁寧に集計していき、特定にいたった。

 もちろん、同一球団が同一球場で行う試合数として、4000試合は飛び抜けている。阪神の甲子園球場に次ぐのは巨人の後楽園球場だが、スポーツニッポン新聞社の記録担当が集計したところ、2917試合だった。後楽園は既に87年限りで取り壊されており、「阪神・甲子園」はプロ野球史上、不滅の記録として独走している。

 発掘した大森さんは一昨年、創設以来の月日別成績を盛り込んだカレンダーを作成するなど、歴史的な調査を手がけている。今回の調査では500試合ごとの節目は過去5勝1敗1分けの・833の高勝率や、公式戦を行った球場数が150カ所に達していたことも発見した。

 大森さんは「球団が記念イベントを行うことはないでしょうが」と前置きして話す。「1球団が1球場でこれだけ試合を行ってきたのは凄い。4000試合は歴史の重みを再認識する、いい機会だと思う」。全くその通りである。(編集委員・内田雅也)

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2011年5月10日のニュース