沢村、1球に泣く…「小笠原さんに申し訳ない」

[ 2011年5月6日 06:00 ]

<巨・神>6回1死、城島(左)に勝ち越しとなる左越えソロホームランを打たれた沢村

セ・リーグ 巨人1―2阪神

(5月5日 東京D)
 メモリアルの日を、白星で祝えなかった。1球に泣いた黒星。本拠地・東京ドームで初登板となった巨人・沢村は、6回1/3を8安打2失点で2敗目を喫し「こどもの日の超満員の中で、偉大な記録が出たので白星で飾りたかった。小笠原さんにもチームにも申し訳ない」と悔しさをにじませた。

 自慢の直球でなかった。いずれも外角低めの要求に対し、逆球の変化球を痛打されただけに悔いが残った。先制した直後の5回2死三塁で平野に投げたフォークが高めに抜けて右前適時打。6回には無安打に抑えていた城島に、真ん中に入ったカーブを左中間スタンド最前列に運ばれた。村田バッテリーコーチは「あそこは本塁打を絶対に打たれちゃいけない場面。バッテリーで考えてほしかった。直球、スライダーが武器なんだから」。加藤も「僕の配球ミス」と反省を口にしたが、沢村は「結果的にカーブを打たれたけど、その球で抑えられたら間違いなかった。全球種を磨かないと」と自分を責めた。

 記念の日に白星こそ飾れなかったが、練習から一切妥協しないストイックな姿はサムライと呼ばれる小笠原と相通じる部分がある。沢村は大きく成長した中大時代を振り返り、「後輩たちに優勝を経験させられなかったのは申し訳ない。ただ練習に関していえば、筋力トレーニング、走り込みと、ああしておけばよかったなっていう後悔は一切ない」と言い切ったことがある。その姿勢には、小笠原の遺伝子が宿っているかのようだ。

 だからこそ結果に結びつけられなかったのが悔しい。「1点取った段階で逃げ切れなかったのは僕の力不足。勝ちたかったけどもうひと踏ん張りできなかったのが情けない。もう一回リセットして自分を見直したい」。苦い試練を糧に、次回こそチームに白星をつける。

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2011年5月6日のニュース