セ、パで意見一致せず…開幕延期は継続協議

[ 2011年3月15日 22:13 ]

 東日本大震災を受けて、プロ野球は15日、東京都内で12球団の代表者による臨時の実行委員会を開き、25日の公式戦開幕を延期するかどうかを話し合ったが、セ・リーグとパ・リーグで意見が一致せず、継続協議となった。加藤良三コミッショナーは次回の会議日時について「速やかに決定したい」としたが、未定。

 大震災で楽天の本拠地、仙台市が被害を受けていることから、実行委の前に行われたパ・リーグの理事会では開幕を遅らせ、セ・リーグは予定通り25日に開幕する方針をそれぞれ固めた。ただ、実行委ではセの開幕日案に対する異論が出たことで、結論は持ち越された。加藤コミッショナーはセとパの「分離開幕」については「いろいろな選択肢はあるが、排除はしていない」と話した。

 楽天は本拠地球場の日本製紙クリネックススタジアム宮城でロッテとの開幕戦を予定しているが、大震災の被害を受け、試合開催が困難とみられている。

 また、プロ野球は被災地に1億円の義援金を送ることを決めた。

 ▼加藤良三コミッショナーの話 問題は非常に大きい。未曽有の災害が起こった中で、取りあえず日本の野球をどう前に進めるかは大変な問題。時間がかかって当然。(分離開幕など)いろいろな選択肢は排除していない。できるだけ速やかに決める。

 ▼日本プロ野球選手会・松原徹事務局長の話 被災者が大変な状況の中でやるのがいいことか。NPBと対立方向に持っていきたくはない。2、3日で方針は決めないと間に合わない。日程をすべて消化しようというのは基本。

 ▼楽天・井上智治オーナー代行の話 パでも(25日の)開幕日で開幕した方がいいという意見や、現実的に難しいなどさまざまな意見が出た。セはセの考えがあった。現段階で、仙台で(予定通り)開幕戦ができるとは思っていない。

 ▼西武・飯田則昭専務 野球界として前を向いて行きましょうということで合意した。野球は相手も地域もある。調整していくことにはなる。われわれも他の球団にも事情がある。

 ▼日本ハム・島田利正球団代表の話 リーグによって事情が違う。被災地をフランチャイズとしている球団もある。パではある程度(方針は)固まった。

 ▼中日・西脇紀人球団代表の話 (セ、パ同時開幕に)こだわる理由はない。(大事なのは)12球団が一致して取り組むこと。被災地の感情などにも直結してくる。こちらだけの気持ちで決めるわけにはいかない。

 ▼巨人・清武英利球団代表の話 みんなで歩調を合わせて、12球団で対応していくことになった。

 ▼日本プロ野球選手会・新井貴浩会長(阪神)の話 一刻も早く野球をすることで、勇気づけたいというのは分かるが、果たして25日に開幕していいのかということを伝えた。(選手の)大多数がそういう意見。何百年に一度の大災害が現実に起こり、まだ続いている。

 ▼ロッテ・サブロー選手会長の話 野球で勇気づけたいのは選手も一緒だが、25日に開幕すべきかどうか。選手会として、今やるべきものじゃないと伝えた。

 ▼オリックス・岡田彰布監督の話 こんな時期だからこそ余計にセとパが分かれて開幕するのはな。開幕に合わせて野手も投手も準備している。早くせんと25日まであと1週間くらいしかない。

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2011年3月15日のニュース