岩隈、楽天残留も!?4年12億円提示に不満

[ 2010年11月21日 06:00 ]

Kスタ宮城でのトレーニングを終えて帰宅する岩隈

 アスレチックスが、ポスティング・システム(入札制度)で独占交渉権を獲得した楽天・岩隈久志投手(29)に対し、条件提示を行ったことが19日(日本時間20日)分かった。4年総額で1400万~1500万ドル(約11億6200万~約12億4500万円)とみられる。岩隈サイドの希望額とは500万ドル(約4億1500万円)近い開きがある。交渉期限は日本時間12月8日午後2時。最悪の場合は楽天残留の可能性もある。

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 フロリダ州でのGM会議を終え、前夜にオークランドに戻ったビーンGMが、この日までに岩隈サイドに条件提示を行った。関係者の話を総合すると、契約年数は4年で、総額1400万~1500万ドルのオファーがあったとみられる。
 年平均に換算すると、350万~375万ドル(約2億9050万~約3億1125万円)。今季年俸が3億円(推定)の岩隈にしてみれば、金額的には現状維持の評価だ。近年、メジャー移籍した先発投手はすべて日本最終年の年俸から大幅な上積みを勝ち取っている。29歳という年齢、通算10年で101勝を挙げた右腕にとっては、あまりに低い提示額となった。
 代理人の団野村氏はスポニチ本紙の取材に「交渉中なので、何もお話しすることはできない」としたが、06年オフに同じ入札制度でレッドソックスに移籍した松坂の年平均867万ドル(当時約10億2300万円)を最低ラインとしているもよう。それは、今後同制度で海を渡る選手への影響を考慮してのものでもある。
 年平均で500万ドルほどの開き。ビーンGMが「交渉が1回で済めばいいね」と話した円満入団に向けては、現時点で埋めがたい隔たりだ。日本時間12月8日午後2時までの独占交渉期限内に、正式契約まで終えなければならない。ア軍はエンゼルスからFAの松井を中心に野手補強も同時並行しており、残された時間は多いとはいえない。
 岩隈は来季も楽天に残留すれば、海外FA権を取得し、米30球団と交渉することが可能となる。ア軍としても先発5番手だったマザーロをロイヤルズへ放出し、岩隈との交渉失敗は許されない。両者の思惑が複雑に絡み合う中、どこまで歩み寄れるか注目される。

 ◆06年オフの松坂のレッドソックスとの交渉 レ軍落札翌日の11月15日に代理人ボラス氏が年平均1500万ドル(当時約17億7000万円)を要求することを示唆。レ軍とは年平均で1000万ドルの開きがあり、一時は交渉決裂も騒がれたが、交渉期限前日の12月13日に6年総額5200万ドル(当時約60億8400万円)で合意。松坂はロサンゼルスからボストンに移動し、正式契約と入団会見を交渉期限最終日の同14日に行った。

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2010年11月21日のニュース