指導方針一変で故障者続出 野村監督「自分で管理しないと」

[ 2010年11月21日 16:00 ]

 シーズンを5位で終え、始まった広島の秋季練習。まだ本格的な投球すら再開できていない大竹が、もどかしそうに口を開いた。「いまできることをできる範囲でやるしかない。一番は肩を良くすること」。Tシャツの首筋からのぞいた右肩の湿布が痛々しかった。

 就任1年目の野村監督は、ブラウン前監督の指導方針から百八十度の転換を図った。キャンプ中の投げ込みの解禁をはじめ、試合のない日も全体練習で選手のレベルアップを求めた。「練習した者勝ち。バットを振った者勝ち」と言い、徹底的に選手を鍛え上げようとした。

 ブラウン前監督が率いた4年間は、コンディショニングに重点を置いて効率を重視。その反動は大きかった。大竹は春季キャンプでの投げ込み過多で右肩を痛め、開幕当初は抑えを任されていた永川勝も4月に離脱。その後も故障者が続出した。

 大きな戦力ダウンを強いられた中、前田健は周囲の変化を気にも留めなかった。投げ込みはせず、「そういう調整方法を示せた」。今季の大躍進は自己流を貫いた結果でもあった。

 野村監督は「自分の体は自分で管理しないといけない。僕もけがをしたけれど、他人のせいにはしなかった。選手は体が資本だから」と力説する。指揮官の掲げる理想との隔たりが、下位に沈んだ大きな要因となった。

続きを表示

2010年11月21日のニュース