日大対決制した!鶴ケ丘 三高撃破V王手

[ 2010年7月25日 06:00 ]

<日大三・日大鶴ケ丘>勝利の日大鶴ケ丘ナイン(手前)は、応援席に歓喜の表情で向かう 

 【西東京・日大鶴ケ丘6-5日大三】第92回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、甲子園)の地方大会は24日、33大会で126試合が行われた。西東京大会では日大鶴ケ丘がセンバツ準優勝校の日大三を延長14回の末、6―5で下し、2年ぶりの決勝に駒を進めた。25日は千葉、栃木など7大会で決勝が行われる。

【24日の試合結果
西東京組み合わせ
高校野球地区大会特集


 気温35度。しゃく熱の太陽が照りつけるマウンドで、すべての力を出し切った。延長14回。4時間16分の死闘に幕が下りた瞬間、岡は駆け寄った捕手の上村に抱きかかえられた。

 「打たれて当たり前と開き直って投げました。最後はちょっと球威が落ちましたけど、気持ちで投げました」

 5―4の8回1死満塁という厳しい場面で登板した。2死後に4番横尾への死球で同点とされたが、続く山崎を左飛に抑えピンチを脱出。その後は自己最速の145キロをマークした直球を軸に追加点を与えず、味方の援護を待ち続けた。14回に中井の遊撃内野安打で勝ち越し。6回2/3を無失点に抑えた岡の力投がチームに勝利を呼び込んだ。

 1メートル71、63キロ。小食で夕飯も茶碗1杯しか食べられないという小柄な2年生右腕は、7月上旬に体育の授業でバスケットボールをした際、右人さし指を突き指。今大会の登板さえ危ぶまれた。萩生田監督からは「チームのことを考えてないのか」と一喝されたが、1日3回のアイシングなどで必死の治療を行い、大会直前にチームに合流。そんな右腕が土壇場で大仕事をやってのけた。

 日大三とは昨秋と今春にも対戦し、1勝1敗だった。同じ日大系列だけに負けられない意地もある。試合前日。校長室を訪れた萩生田監督は川瀧校長から「何とか頼むよ」とやんわりと勝利を求められていた。「プレッシャーありましたよ」と指揮官は笑ったが、センバツ準優勝校相手にもぎとった1勝で、2年ぶり3度目の出場へ向け大きく前進した。
 「このままの勢いで決勝も勝ちたいです」。頼れる2年生右腕は、早実との決勝戦で最後の力を振り絞る。

 <日大三 3季連続ならず…>3季連続出場が消えた瞬間、ナインは次々にグラウンドにうずくまった。泣きじゃくる選手を見つめながら小倉監督は「選手はよく頑張りました。監督が勝たせてやれなかった」と言葉少なに敗戦の責任を背負い込んだ。8回途中から登板した2年生右腕の吉永が延長14回に力尽きたが「最後は疲れもあったと思う」と最後まで選手をかばった。

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2010年7月25日のニュース