マー君3勝目、救ったのは19歳の「カラシマー君」

[ 2010年4月26日 06:00 ]

2回を無失点に抑えた辛島

 【楽天4-3日本ハム】本調子ではなかったマー君の3勝目をアシストしたのは19歳左腕の辛島だった。5連続完投がかかっていた田中は毎回安打を許して6回8安打3失点。1点リードの6回には押し出し四球などで逆転を許しベンチで「すいませんでした」とナインに2度も謝罪した。

 しかし、その直後に嶋の左越え二塁打で逆転すると7回から辛島が初めて1点リードの場面で登板。「点差は考えませんでした」と先頭の稲葉をスライダーで空振り三振。続く高橋も内角低めの144キロ直球で三振を奪うなど、2回を1安打無失点の好救援を見せた。
 「野球でも、それ以外でも緊張したことがない」と語る強心臓の持ち主。森山投手コーチが「ブルペンでも慌てずマイペース。こっちが“もっと早く準備してくれ”と焦るくらいだよ」と言えば、守護神の川岸も「19歳であの落ち着きにはジェラシーを感じる」と話す。春季キャンプは2軍スタートも打ち上げ2日前に1軍に合流。紅白戦で2試合連続の好投を見せ首脳陣の目に留まった。「右打者も左打者も苦にしない。気持ちの強さも持っているし、将来が楽しみな投手」とブラウン監督も称えた。
 試合前、敵将の梨田監督は田中と武田勝の投げ合いに「きょうはマー君対決か。オレもちょっと年齢のいったマー君(昌孝)だしな」と笑っていたが、試合後のお立ち台に初めて立っていたのは「カラシマー君」だった。「2年目の辛島です。これから1年、仙台を熱くするために頑張ります」。チームは今季初の3連勝。1軍で21歳のマー君より唯一年下の“弟分”が勝利の方程式に加わった。

 ▼楽天・田中(3勝目に)ストライクが入らないので話にならない。(6回の押し出し四球は)ばからしいし、情けない。精神面を整理して、次回に臨みたい。

 ◆辛島 航(からしま・わたる)1990年(平2)10月18日、福岡県生まれの19歳。小1で軟式野球を始め、中学で硬式に転向。飯塚3年夏の福岡県大会では6試合に登板し5完投、防御率0・39の活躍。創部46年目で初の甲子園出場に貢献したが、1回戦で浦添商(沖縄)に敗れた。08年ドラフト6位で楽天入団。09年8月13日のソフトバンク戦(Kスタ宮城)で球団史上2人目の高卒新人初登板を果たした。1メートル73、72キロ。左投げ左打ち。

 <逆転打は「シマー君」>女房役の「シマー君」も「マー君」の白星を強力にアシストした。6回2死満塁で嶋が武田久から逆転の左越え二塁打。初球にスライダーを見逃した際に「まだまだ甘いと思って気合を入れ直した」とバットでヘルメットを叩くと、カウント1ストライク2ボールから4球目のスライダーを迷わず振り抜いた。打席前には6回で降板が決まった田中に「絶対にタイムリーを打つから!」と約束。有言実行の一打に「絶対に勝ち星をつけたかった」と満足げだった。

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2010年4月26日のニュース