引退・赤星氏の思い乗せ…今岡いきなり場外弾!

[ 2010年2月10日 06:00 ]

シート打撃に登場した今岡はいきなり左越えに本塁打

 気温30度。真夏を思わせる沖縄・石垣島キャンプでロッテ・今岡が初のシート打撃で場外弾を放ち、開幕スタメンに向け猛アピールした。実戦形式の初打席。マーフィーの136キロ内角直球を腕を畳んではじき返すと、打球は左翼席後方にある高さ約12メートルの防球ネットを軽々と越えていった。延べ18人目の打者としてチーム1号となる120メートル弾。2打席目は四球、3打席目は左翼線二塁打で2打数2安打と存在感を示した。

 「テストを受けて入団した自分に調整はない。常にアピールしながら、チームにどう貢献していくか考えないといけない。(一発は)今、取り組んでいる方向性が間違っていないということ」
 午前中のフリー打撃でも川越から左翼に場外弾。その直前には、視察に訪れた阪神時代の同僚・赤星憲広氏(本紙評論家)と笑顔で抱き合って再会を喜んでいた。昨オフ、自身は阪神から戦力外通告を受け、赤星氏は中心性脊髄(せきずい)損傷により現役を引退。今岡は「自分はロッテでプレーできている。当然、赤星も野球を続けたかったと思う」と同氏の無念の思いもバットに乗せた。赤星氏は「スイングを見る限り全盛期に近い。ここ1、2年に比べれば全然いい。僕のために場外ホームランを打ってくれたのかなと思っている」と笑った。
 3月20日の開幕戦で対戦する西武の石井編成部プロ担当も「いい打撃をしている。体が絞れているし手ごわい」と警戒するが、今岡に慢心はない。シート打撃中の守備での2失策を猛省し志願の特守を行った。「打つだけじゃ駄目」。首脳陣が期待する指名打者だけでなく、今江と争う三塁のレギュラーもあきらめない。どん底からはい上がった男は、どん欲にアピールを続ける。

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2010年2月10日のニュース