他球団お手上げ?進化するダル「去年より全然いい」

[ 2010年2月10日 15:15 ]

ブルペンでも明るい表情の日本ハム・ダルビッシュ

 沖縄県名護市で行われている日本ハムのキャンプ。ブルペンでダルビッシュの投球を見守った他球団のスコアラーが、思わずうなる。「去年より、全然いい」。初日に45球、3日目に71球と徐々に投球練習のペースを上げ、6日には101球。この101球が、開幕投手の決定に慎重だった梨田監督の心を動かした。

 昨季はシーズン中に腰を痛めて2度離脱。日本シリーズ後には右手人さし指の骨折も判明した。日本一を目指すチームのために無理をした代償だった。満身創痍のままにオフに突入していたが、今は周囲の心配を一掃するほど、威力のある直球を投げ込んでいる。
 「どうすれば、すごい球を投げることができるのか」。プロ6年目、球界を代表するエースになっても、ダルビッシュの探求心は尽きない。昨季94キロだった体重は、現在90キロ。褐色に焼けた肌と短く刈り込んだ髪形が、余計に細身に見せる。
 オフには筋力トレーニングより走り込みに専念した。無駄な筋肉を落とし、動きやすい体づくりを目指した。「去年と一昨年は体の動きがこぢんまりしていて、ボールにうまく力を伝えることができなかった」。減量の結果、肩などの可動域も広がり、よりダイナミックな投球フォームが可能となった。
 好天に恵まれた8日には、志願の投球練習で打者の内外角を意識して投げ込んだ。厚沢投手コーチは「ことしの調整は、すべてが計画的で慎重。フォームにも無駄がない。体に無理がかからず、いいことずくめ」と絶賛する。
 4年連続となる開幕投手を務める舞台は3月20日のソフトバンク戦。故障から復活し、さらにパワーアップした背番号11が見られそうだ。

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2010年2月10日のニュース