横浜 山口、先発転向の切り札は“天井から落ちてくる”球

[ 2010年2月1日 06:00 ]

 横浜の山口俊投手(22)が、大きく飛躍する時を迎えている。150キロ台の直球で押すスタイルで、昨季は主に抑えとしてプロ入り最多の51試合に登板。5勝4敗18セーブ、防御率3・27の好成績を治めた。5年目右腕は将来のエース候補として今季先発に転向する。

 春季キャンプを行う沖縄入りした1月31日「去年は少ない数をしっかり投げた。今年は先発なので完投できるスタミナをつけたい」と3000球の投げ込みをキャンプ中のノルマに設定した。
 「先発として競い合って、三浦を追い越してほしい」と尾花監督の期待度は高いが三浦、清水、ランドルフ、寺原らの間に割って入るのは容易ではない。生き残るための切り札はカーブ。主に抑えを務めていた昨季は、失点が許されない場面での痛打を嫌って封印していた。だが昨年日本シリーズで、日本ハム・ダルビッシュがカーブで巨人打線を翻ろうするのを見て解禁を決めた。
 すでに横須賀のブルペンで軌道を確認。切れ味鋭い球を受けた黒羽根は「天井から落ちてきた感じ。使えると思いますよ」と目を丸くするほどで、沖縄ではさらに精度を上げていく考えだ。
 三浦とともに行っていたオフの合同自主トレも卒業し、今年は静岡に場所を変えて心機一転した。「5年目以内の若手は自分が引っ張っていくつもりでやっている。いつまでも三浦さんにおんぶに抱っこではダメ」。山口が先発として独り立ちできるかが、横浜の浮沈のカギを握っている。

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2010年2月1日のニュース