選手会 東西格差是正へ ウエスタン6チーム要求

[ 2009年12月4日 06:00 ]

<プロ野球選手会総会>総会を終え、会見で協議の内容を報告する(左から)中日・井端、阪神・新井、ソフトバンク・小久保

 労組・日本プロ野球選手会(会長=阪神・新井貴浩内野手)は3日、大阪市内のホテルで定期大会を開き、2軍育成について“東西格差”の是正を日本プロ野球組織(NPB)に求めることで意見が一致した。2軍は楽天が参入した05年からイースタン7チーム、ウエスタン5チームのリーグ編成。試合数が減少したウエスタンで育成面の弊害が生じており、独立リーグからの参加によるチーム増で減少分を補うなど具体案も出された。

 議題に挙がった3つの案件で、最も時間が割かれたのが2軍の育成だった。04年の球界再編で近鉄が消滅。6チームから5チームに減ったウエスタンでは、若手選手の出場機会も激減した。
 「試合が少ない上、1軍選手の調整でも育成の場は失われている。NPBに話していきたい」と新井会長。具体的な対策についても「チーム数が増えないと試合数も増えない」とし、独立リーグや地元の社会人からの参加、スポンサーを募って新たなチームをつくるなどの意見が出された。
 今季の公式戦はウエスタン96試合に対しイースタン108試合。リーグの個人最多打席数でもオリックス・長田の356打席は巨人・橋本(463)より107打席も少ない。育成選手を中心とした混成チーム「フューーチャーズ」との練習試合も含めれば巨人は年間200試合以上。本拠地が離れているウエスタンでは移動費など経費面の制約もあるが、松原事務局長は「育成に投資するという点ではNPBも全員が反対ではない。選手会側の意見を伝えていきたい」と話した。
 選手会の要望を受け、7日の実行委員会、9日のファーム運営委員会ではウエスタンのチーム増が大きな議題となりそうだ。

 ≪「マイナーFA」議論≫「マイナーFA」を議論した。新井会長は「1軍登録日数での権利でなく、埋もれた人材を生かす方策」とレンタル移籍も含め、労使交渉で提案する。山崎卓也弁護士は「大リーグのルール5ドラフトのように、マイナー選手の移籍につながれば」と話した。2年間の暫定期間が終わったFA制度は国内・海外の資格取得年数を7年に一本化、補償金撤廃を求める。法改正で廃止も検討中の選手年金では新井会長が「歴代会長が勝ち取ってきた権利。簡単に分かりましたと言えない」と説明、来春のキャンプ中に意見集約を行う。

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2009年12月4日のニュース