松井 地区Sで残留勝ち取るぞ!

[ 2009年10月8日 06:00 ]

地区シリーズを前に練習するヤンキース・松井秀喜

 ヤンキース・松井秀喜外野手(35)の来季残留を懸けた戦いが7日(日本時間8日)から始まる。同日に開幕する地区シリーズの相手は、ア・リーグ中地区優勝決定戦の結果、ツインズに決定。4年契約最終年の松井にとっては、契約更新がなければ、ピンストライプのユニホームを着てのプレーはこれが最後。残留、そして悲願の世界一達成へ、猛打を振るう。

 2年ぶりに臨むポストシーズン。ヤンキースタジアムでの最終調整を終えた松井は「久しぶりな感じもするが、いつも通り入れると思う。(ポストシーズンだからと言って)何か変えるということはない。普段から準備して備えているので舞台が変わっても特別変わらない」と平常心を強調した。
 決戦前夜、相手もようやく決まった。優勝決定戦でツインズが延長戦の末にタイガースを下し、地区シリーズ出場権を獲得。ツ軍は、03、04年と地区シリーズで退けた相手。加えて今季は7戦全勝と抜群の相性を誇る。ただ、松井は「全く関係ないですね。2年前もインディアンスに(レギュラーシーズンで)6戦全勝していて負けた」。07年地区シリーズでの苦い経験を引き合いに、気を引き締め直した。
 それ以上に、松井の表情が厳しい理由は、自身にとって今季が4年5200万ドル(約45億7600万円)の契約最終年。ピンストライプを着て世界一を目指すのは最後かもしれないと自覚しているからだ。残留に向けた状況は極めて微妙だ。7、8月に猛打を爆発させたことで、8月下旬にはヤ軍専門テレビ局「YES」の公式ブログで「チームにこれだけの得点をもたらす選手。契約延長のオファーを出すべき」とのコラムが掲載されるなど“追い風”が吹いた。しかし、今季ラスト本塁打の28号を放った翌9月23日以降は打率・185と再び不振に陥り、最終的にメジャー7年目で自己最低の打率・274。ニューヨーク・メディアの間では“不要論”も再燃している。
 キャッシュマンGMも「もちろんポストシーズンでの活躍は望んでいるが、そこで爆発したからといって再契約に有利になることはない。あくまで、年間通しての成績が評価の対象」とシビアな見解を口にする。この背景にあるのは同じ外野手のデーモンの契約も今季で切れることがある。デーモンは今季打率・282、24本塁打、82打点と松井とほぼ同等の打撃成績を挙げ、しかも守備に就ける。球団内の評価は松井より断然高く、デーモンの契約交渉が優先される。このため、ヤ軍が松井と残留交渉をしても、1年契約の年俸500万ドル(約4億4000万円)が最上限と予想される。
 「ここ数日よりは状態は良くなっている。いい状態で入れるんじゃないかな」。これまで5度出場したポストシーズンでは打率・302、6本塁打、26打点と勝負強さを発揮してきた松井。ヤ軍、そして自らの命運をもバットに託す。

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2009年10月8日のニュース