爆勝口火弾!松井秀 サンタナ討ち10号

[ 2009年6月16日 06:00 ]

<ヤンキース・メッツ>4回、サンタナから右越えに10号2ランを放つ松井秀喜

 【ヤンキース15-0メッツ】ゴジラ弾が最強左腕を沈めた。ヤンキース・松井秀喜外野手(35)は14日(日本時間15日)、メッツ戦の4回にヨハン・サンタナ投手(30)から10号2ラン。2年ぶりの2ケタ本塁打に到達した。この一発が口火となり、この回打者12人9得点の猛攻で04、06年サイ・ヤング賞左腕をKOした。また、阪神が今季限りでヤ軍との契約が切れる松井の調査に乗り出すことも判明。今後は去就問題も大きな注目を集めそうだ。

【試合結果
ヤンキーススタジャン


 この試合、最初のスイングだった。第1打席は四球で、4―0の4回無死一塁で迎えた第2打席だ。松井はサンタナの4球目の90マイル(約145キロ)を迷いなく振り抜き、右中間席に10号2ラン。「基本的に直球を待っていて、そこに甘く入ってきたという感じですね。非常にいいスイングができた」と自画自賛した。

 10号到達はメジャー自己最多の31本を記録した04年に次ぐペース。年間では26発ペースだ。最近5試合も打率・375、2本塁打、5打点。「ある程度(球の)見極めができていると思う」と話す通り、ミスショットが減っている。その証拠がファウルの多さだ。いずれも無安打に終わった3日からの5試合は計16打席で1球だけ。それが最近5戦では21打席で17球。際どい球をカットしている間に、タイミングが合ってくる。「甘く入った球をしっかり打つ」ことを信条とする打撃には不可欠なものだ。

 松井の一打が、現役最強左腕・サンタナの心を砕いた。カブレラ、サーベリ、ジーターも安打で続いてKO。過去ヤンキースタジアムで3勝無敗だった左腕は自己ワースト9失点。ヤ軍は17安打15点で大勝した。12日に松井がバースデー弾を放った際「“誕生週間”だったらいいのに」と話したジラルディ監督も「誕生日が続いているね」と笑いが止まらない。

 今季すべてDHで48戦目の先発出場。守備へのこだわりを持つ松井だが、DHでの打席間のルーティンも確立した。ベンチ裏では素振りや軽い打ち込み以外にも腹筋運動や、守った時をイメージして構え、瞬間的に前後左右に反応する“エア守備”を反復。「体を温めておくため」。室内練習場が拡張された新球場が、試合の感覚を失わないための多様な準備を後押ししている。

 サンタナからの一発はツインズ時代の07年7月4日以来だが、当時はその1本から7月13本塁打を記録し、月間最優秀選手に選ばれた。「状態は似ているかもしれない。そうなればいいですね」。今のゴジラには、そんな凄みが漂いつつある。

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2009年6月16日のニュース