40歳高津 3度目挑戦でジャイアンツへ

[ 2009年6月16日 06:00 ]

5月にトライアウトで投げた高津

 日米通算313セーブを挙げ、昨年は韓国でプレーした高津臣吾投手(40)が、サンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を交わしたことが15日、分かった。40歳7カ月は日本人最高齢での契約で、3度目の米球界移籍も史上初。既にアリゾナ州でのジ軍の延長キャンプに合流しており、藪恵壹投手(40)も所属する3Aフレズノから4年ぶりのメジャー復帰を目指すことになりそうだ。

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 昨年は韓国に渡り、現役を続けた高津が難関を突破し、再びメジャー復帰への“挑戦権”を手に入れた。新天地は、ナ・リーグ西地区に所属する名門ジャイアンツ。既に契約書にサインを済ませた40歳は「ホッとしているというのが一番。いろいろと周りにも迷惑をかけたので、応援してくれる人のためにも一生懸命やりたい」と語った。

 高津は先月20日にロサンゼルス郊外でトライアウトを受験。大学生を相手にシート打撃に登板した。視察に訪れたジ軍のコックス・スカウトは制球力とゴロを打たせる投球術を評価。ホワイトソックス時代の04年には19セーブを挙げた実績も考慮に入れ、マイナー契約での獲得を決めた。

 孤独で、そして無謀な挑戦でもあった。昨季限りで韓国・ヒーローズを退団。今年1月には米国で極秘トライアウトを受けたが、直球は82マイル(約132キロ)止まりで声は掛からなかった。しかし、あくまでも現役続行にこだわり、4月末に単身で再渡米。ロサンゼルス郊外でたった1人でトレーニングを続け、5月のテストでは球速は140キロ近くまで戻った。地道な努力が実を結び「今回はさすがに厳しいかなと思った。キャンプにも参加していなかったので」と喜びをかみしめた。

 昨年も1月にカブスとマイナー契約を交わした(3月に解雇)が、今回は全く意味合いが違う。同じマイナー契約でも、戦力が固まっているシーズン中の獲得は異例で「戦力になる」と評価している証拠。ジ軍は現在ナ・リーグ西地区2位につけており、シーズン終盤を見据えてのベテランの補強といえる。

 アリゾナ州での延長キャンプに参加している高津は今月中に一時帰国する。就労ビザを取得した後、再渡米し、3Aフレズノへの合流が有力だ。「できるだけ長くやりたいし、つらいことは覚悟しているが、簡単にはあきらめたくない」。日米韓でセーブを挙げた唯一の男・高津。前例のない40歳の挑戦が始まる。

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2009年6月16日のニュース