もがく松井秀…今季最悪18打席連続無安打

[ 2009年6月10日 06:00 ]

<ヤンキース・レイズ>松井秀喜の不調に客席から試合を観戦したトミー・ラソーダ・ドジャース球団顧問(右上)も心配げ

 ヤンキース・松井秀喜外野手(34)は8日(日本時間9日)、レイズ戦で1四球を含む2打数無安打。これで2日の第3打席で8号3ランを放った後、今季自己ワーストの18打席連続ノーヒット。6月は7試合でわずか2安打で、月間打率・105と極度の不振。この背景には昨年、一昨年に手術した両ひざと今季痛めた右太腿裏の影響により、下半身が十分に使えず外角球をさばき切れないことがある。

【ヤンキーススタジャン


 松井のバットから快音が消えたままだ。7回の第3打席。過去の対戦で2本塁打を含む打率・385と抜群の相性を誇ってきたレ軍先発・ソナンスタインが投じた初球の外角低めのチェンジアップを引っかけて二ゴロ。これで18打席連続無安打となった。
 「強引というか、ちょっと抜かれた。打たなくてもよかったという感じですね。自分のミス」。今季は外角球を引っかけての凡打が顕著。それだけに相手も徹底的に“弱み”を突いてくる。レ軍との今回の3連戦では8打席計22球のうち、内角球はわずか3球だった。
 「技術的にどこかがおかしいから、結果が出ない。原因?ある程度は分かるんですけど…。練習でできても、試合になるとうまくいかない」。長く、苦しいトンネル。松井がこれまでメジャーで存在感を示してきた生命線が、外角球に対し逆方向に強い打球を飛ばすこと。外角をしっかりさばければ相手は内角を突かざるを得ず、内角に甘く入れば絶好のホームランボールになる。かつては左手のハンドリングを高めるため、はしを左手で持って食事もした。
 しかし、現在は外角球への対応に苦慮。本人は「体は問題ない」と話すが、思い切り踏み込んで外角球をとらえられないのは、両ひざと右太腿裏に抱える不安が大いに関係している。下半身を柔軟に使った体重移動ができず、その結果としてフォームバランスが取れないのだ。このため打席で余裕がなく、狙い球に的が絞れていない。
 昨季まで6月は通算打率・300と成績を残してきた。しかし契約最終年の今季は・105。守備に就ける見通しも立っていないことから、地元メディアでは“不要論”も噴出している。「結果が出ていないけど、また明日、頑張るだけ。結果が出始めれば(流れが)変わってくるとは思う。信じて調整するだけ」。12日に35歳を迎えるメジャー7年目のシーズンに苦闘が続く。

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2009年6月10日のニュース