東海大海洋学部「荷物をまとめてきたのに…」

[ 2009年6月10日 18:25 ]

<東海大海洋学部―東海大>7回、逆転2ランを放ちナインに迎えられる東海大海洋学部・中村一(左から2人目)

 【全日本大学野球2回戦 東海大海洋学部3-1東海大】大会史に残るような番狂わせが起こった。創部17年目で初出場の東海大海洋学部が、3度の大学日本一を誇る32度目出場の“本家”東海大に鮮やかな逆転勝利。8強入りを果たした。

 一回に失った1点を追い掛ける七回2死二塁で1番・中村一が長い滞空時間の逆転2ランを右翼席へ運んだ。耐震構造の研究を行う4年生は「本当に夢みたい。向こうは野球のエリートばかりだったから」。大学入学後初めて放ったという本塁打に何度もガッツポーズを繰り返した。
 八回にも遠藤のソロ本塁打で加点。大村監督は「1試合2発なんてありえない。(東海大は)わたしの母校だが、雲の上のチーム。金星が過ぎました。宿舎でも荷物をまとめてきましたから」と目を丸く見開いた。
 今大会の目標は初戦突破。神宮での開幕試合で松山大(四国)を破った後、シード校の東海大対策を立てる時間や材料もなかった。指揮官が「せめて七回までできれば…」とコールド負けを覚悟して臨んだ一戦は、無欲で臨んだ初陣チームに軍配が上がった。

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2009年6月10日のニュース