巨人“左王国”確立へ 川口臨時コーチ招へい

[ 2009年1月15日 06:00 ]

 リーグ3連覇と7年ぶり日本一を目指す巨人が2月の宮崎キャンプでOBの川口和久氏(49)を臨時コーチとして招へいすることが14日、明らかになった。近日中にも発表される。現役時代は本格派左腕として広島、巨人で活躍した同氏は金刃、辻内ら発展途上の左腕を中心に指導を行う予定。上原のメジャー移籍で現有戦力の底上げが急務のチームにとっては心強い存在だ。

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 甘いマスクの“ダンディー”コーチが左腕王国の確立に一役買う。川口氏は80年に広島入りし、2年目に先発ローテーションに定着。制球難を克服した3年目の83年には15勝を挙げた。95年に巨人にFA移籍し、98年に現役引退。威力ある直球とカーブを駆使して通算139勝を記録した。最多奪三振も3度獲得。投球理論にも定評がある。
 上原が抜けて、投手陣の底上げが今キャンプの最重要課題。これまでもフォークのスペシャリストである球団OBの槙原寛己氏を臨時コーチでキャンプに招き、越智、東野ら若手右腕が成長を遂げるなど成果を挙げていたが、今年はテーマである「左腕強化」へ向け川口氏に依頼。現在の1、2軍の4投手コーチはともに右投げということもあり、川口氏には1年目に7勝ながら昨季は未勝利だった金刃、入団から3年間で1軍登板がない辻内らへの指導に期待がかかる。開幕投手を目指す内海、ベテランの高橋尚、中継ぎで11勝を挙げ新人王に輝いた山口ら主力も学ぶことは多い。
 球団は将来的に生え抜き選手で常勝軍団をつくることを目標に掲げる。原監督も「チームを強くするには若手の力を上げることが大事。今年は金刃のケツを蹴るぐらいのことはしたい」と若手左腕の奮起に大きな期待を寄せている。
 川口氏は宮崎キャンプだけでなくオープン戦期間中もチームに帯同する見込み。80年代の広島の投手王国を支えた左腕が巨人の若手に139勝のノウハウを注入する。

 ◆川口 和久(かわぐち・かずひさ)1959年(昭和34)7月8日、鳥取生まれの49歳。80年ドラフト1位で広島入団。86年から6年連続2ケタ勝利をマーク。巨人キラーとして33勝を挙げたが、95年に球団史上初のFA権を行使して巨人に移籍した。98年に引退。通算139勝135敗、4セーブ。最多奪三振3度、オールスター出場6度。1メートル83、82キロ。左投げ両打ち。

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2009年1月15日のニュース