マー君 王監督の前で快投、次世代は任せて

[ 2008年10月8日 06:00 ]

6回、ソフトバンク・柴原を見逃し三振に斬り、田中が雄たけびをあげる

 【楽1-0ソ】サヨナラの瞬間、ベンチを飛び出した田中は笑っていた。00年、松坂以来の高卒新人2年連続2ケタ勝利は逃したが、9回を6安打無失点。杉内との投げ合いで一歩も引かなかったマウンドに充実感はあった。

 「あっちも相当、意気込んでくると思っていたので、それに負けないように投げた。チームがこういうふうに勝てたのでよかった」。最後の登板で田中らしさを出した。2回1死一、二塁から金子の空振り三振で今季150奪三振に到達。高卒新人での2年連続150奪三振は68年の阪神・江夏以来40年ぶりだった。9回には、この日最速の150キロを計測するなど今季6度目の2ケタ10奪三振。味方の援護なく、球数が140球に達して降板したが、王監督の目前での好投に「偉大な方の最後の試合で投げられた。そういう場面にいたことはうれしかった。でも、有終の美を飾らせないようにとは思っていた」と胸を張った。
 王監督の最終戦を前に野村監督は言った。「王、長嶋は長くプロ野球を支えた2人。しかし、この2人に続くようなスターっているかな」。くしくも桑田、清原も現役を引退。スター選手が海外流出する中で世界の王が去る瞬間に、次代のヒーロー候補が存在感を見せつけた。
 腰痛、右肩痛、北京五輪日本代表入りなど、めまぐるしかった2年目。「納得した結果は残せてないけど、次のシーズンはもっといいピッチングができるようにしたい」。田中の目前には限りない可能性が広がっている。

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2008年10月8日のニュース