岩村“美酒濡れ”レイズ初の優勝決定S進出

[ 2008年10月8日 06:00 ]

ディビジョン・シリーズを制し、シャンパンをかけられる岩村

 【レイズ6-2ホワイトソックス】レイズが6日(日本時間7日)、ホワイトソックスとの地区シリーズ第4戦を制して3勝1敗で同シリーズ突破を決めた。岩村明憲内野手(29)は4試合連続安打となる2安打1得点の活躍。地区優勝の際は連絡ミスで参加できなかった遠征先でのシャンパンファイトで大騒ぎした。また、レッドソックスもエンゼルスを下してリーグ優勝決定シリーズに進出。ワールドシリーズを懸けた10日(同11日)からの同シリーズはレイズとレッドソックスが激突する。

 漆黒のトサカが、シャンパンの泡にまみれて形を崩していく。その下の岩村の笑顔は、もうクシャクシャだ。「きのう言った通りに、白いタオルが白旗に見えて、スカッとうれしかった」。勝者の宴(うたげ)で喜びを爆発させた。
 1点を返された直後の5回、先頭で4戦連続安打となる右前打。次打者の三ゴロでは、鋭いスタートで併殺を逃れて二塁へ。続くペーニャの右前打で貴重な追加点となるホームを踏んだ。相手に傾きかけた流れをグッと引き寄せた。「あそこが強い野球ができたところ。前の対戦でやられた投手だったし、そこは僕の何苦楚(なにくそ)ですかね」。第1戦で三振を喫した左腕リチャードを返り討ち。9回にも左翼線二塁打し、今シリーズは打率・389と快音を響かせ続けた。
 プレーオフ進出決定時は本拠地で美酒を浴びたが前回9月26日、地区優勝を決めた際は連絡ミスで深夜のシャンパンファイトに参加できず落胆した。今回は当日用意しながら日の目を見なかったゴーグルを下げ「あの分は晴らせました」と笑った。終盤には宴を抜け出して観戦した父・芳昭さんにコルクを届けた。この日が61歳の誕生日だった父は最終戦まで観戦予定だったが、急きょ兄・敬士さんらと帰国することに。父は「最高のプレゼントです」と孝行息子の晴れ姿に目を細めた。
 10日からのリーグ優勝決定シリーズの相手は同地区のレッドソックスに決まった。初戦は松坂との日本人対決が濃厚だ。「ここのクラブハウスじゃ、ちょっと狭い。まだはしゃぎ足りないかな。勝ち続ければ、あと2回はできるんでね」。岩村は世界一までの道のりを見据えた。創設以来、昨年まで10年間で9度が最下位。昨季はレッドソックスに30ゲーム差も離されて、勝率も30球団中最下位だったお荷物球団による“アメリカンドリーム”。もう誰も奇跡などと笑う者はいない。

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2008年10月8日のニュース