イチローの夢は200安打だけじゃない!

[ 2008年9月13日 06:00 ]

“ダフってしまった”芝の状態を心配そうに見るイチロー

 【マリナーズ4―7エンゼルス】マリナーズのイチロー外野手(34)が11日(日本時間12日)、アナハイム(米カリフォルニア州)でのエンゼルス戦の8回に右越え6号ソロ。大リーグタイ記録の8年連続200安打へあと9本とするだけでなく、100得点にも残り6とした。自身が“ノルマ”としている「200安打、100得点、30盗塁」は昨季まで7度記録しており、すでに大リーグ記録。残り17試合。前人未到の8度目に向かってイチローの“孤高の戦い”は最後まで続く。

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 豪快な一発で大リーグ記録へのカウントダウンをスタートさせた。8回だ。イチローが過去4打数3安打と相性が良いエ軍スパイアーのカウント1―1からのスライダーをすくい上げた。打球は右翼席へ消える6号ソロ。前日の4安打とはまた趣の違う力強いスイングで、8年連続200安打へ残り9本とした。
 「スパイアーは知ってますからね。何回か見ているんで。(本塁打は)得点と打点がつくんで」
 ウィリー・キーラーと並ぶ大リーグ記録となる8度目の200安打ばかりがクローズアップされるが、天才打者が求めるもう1つの数字がある。それが年間100得点だ。「塁に出なければこの数字はない。でも後の打者との共同作業という意味合いがあるから、悲観的になる必要もない。でもずっと続けているものだから」とこだわりは強い。今季チームは早々に優勝争いから脱落。後続の打者が自分の打撃に専念する中で、達成は例年よりも難しい状況になっている。その中で今季94得点目。大台突破は目前だ。
 すでにクリアしている30盗塁も含めて、過去7年連続で記録している「200安打、100得点、30盗塁」をイチローは“ノルマ”としている。昨季の7度目で大リーグ新記録だったが「連続でやっているものに関してはやらなきゃいけない」とモチベーションを高く保ち続ける。デビューから8年連続で達成となれば、もう不滅の大記録といっても過言ではなくなる。
 7回の守備ではちょっとしたハプニングもあった。1死からクインランの浅い飛球をスライディングキャッチした際に左ひざで約1メートル近くも芝を“ダフった”。「あんなこと初めて。よく(ゴルフの)ロングアイアンで僕はダフりますけど。映像を見ていないのでよく分かりませんが失敗ですね。美しくない」。プレーの直後は敵地スタンドからブーイングも聞こえたが、本人は苦笑い。記録と向き合う中で重苦しさはまったく感じない。
 今季開幕前に「楽しみたい」と語った言葉は、記録への孤高の戦いの中でも続いている。残り17試合。この日の一発で日米通算996打点。節目の1000打点へも残り4打点となった。優勝争いから取り残されても、イチローに消化試合はない。

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2008年9月13日のニュース