打者2巡!東海大1イニング一挙16点

[ 2008年6月15日 06:00 ]

<東海大・明大>5回2死二、三塁、東海大・横田はこの回16得点目となる右越えスリーランでお祭り騒ぎの東海大ベンチ

 【東海大17―7明大】全日本大学野球選手権第5日は14日、神宮で準決勝2試合が行われた。第1試合では東海大が5回に10安打で大会最多記録の1イニング16得点をマークし、明大に圧勝。2年連続7回目の決勝進出を果たした。

 東京六大学の王者を天国から地獄に突き落とした。5回の攻撃が始まる時点のスコアは0―6。ところが、約50分間に及ぶ“猛打ショー”が終わった後のスコアボードにはなんと「16」の数字が表示された。1イニング最多得点の大会記録9を大幅に更新。7回にも1点を追加し、1試合17得点も大会タイ記録となった。
 「凄かったですね。このチームは後半から強い。反撃の予感はしていたけれど、まさか1回に16点も取るとは」。01年以来の日本一に王手をかけた横井監督は苦笑いしながら額の汗をぬぐった。
 一度火がついた打線はどうにも止まらない。5安打を集中して5点を返すと、5番・近藤が右越えに逆転2ラン。この時点で塁上の走者はいなくなったが、そこからさらに9得点。今秋ドラフト候補・岩崎と石井、石谷の3人は1イニング2安打目を放ち、最後は横田が左越え3ランでとどめを刺した。打者2巡で19人攻撃。リーグ戦で計10勝を挙げた明大の3本柱を木っ端みじんに打ち砕いた。この回だけで3打席に立った石井は「つなぐ気持ちだけだった。まさか3回も打席に立つとは」と笑いも止まらなかった。
 昨年は決勝に進出したが、当時1年生だった斎藤を擁する早大に敗れて準優勝に終わった。そのときの悔しさをバネにここまでやってきた。今大会中は夜間練習を行い、夜中まで素振りを繰り返した成果が見事に出た。
 相手は早大ではないが、同じ東京六大学の王者を倒した。「ここまで来たら勢い。昨年の悔しさを全部返してほしい」と指揮官。忘れ物を取りに行く舞台は整った。

 <明大 出す投手ことごとく…>27年ぶりの日本一の夢は準決勝で無残に散った。江柄子、エース岩田、1年生右腕・野村がことごとく打たれ1イニング16点を献上。屈辱的大敗に善波監督は「投手起用のタイミングがすべて。私の采配の未熟さが出た」と振り返った。6失点した岩田は「まだまだだと言うこと。秋は日本一になりたい」と悔しさをにじませた。

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2008年6月15日のニュース