カブ“兄貴”のバットで絶対的守護神討ち

[ 2008年6月15日 06:00 ]

<オリックス・中日>9回裏無死一塁、サヨナラ本塁打を放ったカブレラは水を浴びながらローズ(右)と歓喜の抱擁をかわす

 【オリックス4―3中日】オリックスが土壇場で竜の守護神をのみ込んだ。オリックスのアレックス・カブレラ内野手(36)が14日の中日戦で1点を追う9回に岩瀬から劇的な逆転サヨナラ弾。大石監督代行の指揮下では初の3連勝を飾り、最大11あった借金は4に。“新生オリックス”が交流戦で勢いをつけてきた。

 劇的な一発に酔いしれた。カブレラが難攻不落の守護神・岩瀬を打ち砕いた。1点を追う9回無死一塁から左翼席最上段に叩き込む推定飛距離150メートルの逆転サヨナラ11号2ラン。その場で打球の行方を見守り、大歓声の中で歓喜の輪に飛び込んだ。
 チームメートから手荒い祝福を受けた主砲の興奮は冷めない。「打った瞬間いったと思った。チームの勝ちにつながり最高の気分」。自身通算5本目となるサヨナラ弾にお立ち台で喜びを爆発。両チーム計6本のアーチが飛び交う空中戦で内野ゴロ3つと一人蚊帳の外だったが“おいしい場面”は逃さなかった。
 アシストしたのは“兄貴分”ローズのバットだった。「感触が良かったから2日前に借りた。自分のバットは920グラムぐらいなんだけど少し重いんだ。きょうはすべてタフィー(ローズ)のバットで打った」。神戸市内の同じマンションに住み、ホームゲームの時は一緒に車で球場入りする。4回に17号ソロを放ち、本塁打と打点の2部門でともにトップに並んだローズは「バットがよかったんだろう」と笑った。
 就任後初の3連勝を決めた大石監督代行も、チームの力に手応えを感じている。「(カブレラには)期待はしてましたけど、びっくりしました。打線も最近ヒットが続いてきている」。今季2度目のサヨナラ勝ちで6月は7勝3敗。最大11あった借金は4まで減った。
 交流戦開幕カードでコリンズ前監督が辞任。最悪の形でスタートを切ったが、11勝8敗まで盛り返した。残り5試合で首位で並ぶ阪神、ソフトバンク、日本ハムに1ゲーム差。1カ月前には想像もしなかった交流戦Vは手の届くところにある。

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2008年6月15日のニュース