西武ダル討ち!ヒーローはスパイダーマン

[ 2008年5月8日 06:00 ]

サヨナラ安打の片岡は、スパイダーマンの覆面をかぶり、ライトスタンドのファンを喜ばせる

 【西武4―3日本ハム】ノリノリのナベQレオがダルビッシュものみ込んだ。西武は7日の日本ハム戦で、3―3の9回、片岡易之内野手(25)がダルビッシュから左前へ2試合連続となるサヨナラ打を放った。絶対的な安定感を誇った2位・日本ハムのエースに土を付けたチームは4連勝。ゲーム差も5に拡大し、独走態勢に突入した。

 西武の勢いは難攻不落のダルビッシュさえも打ち崩した。2戦連続のサヨナラ勝利。主役の片岡は開幕前から温めておいたスパイダーマンのかぶり物をかぶりグラウンドに現れると、一塁ベンチ上に昇りファンの声援に応えた。
 「どーも、スパイダーマンです。打った瞬間、高く跳ねたんで、絶対ヒットになると思いました。神がかっている?実力ですよ」
 歓喜のクモ男はそう言うと、西武ファンの待つ右翼席フェンスによじ登り、応援団と肩をガッチリ組んだ。5月初旬にして5試合目のサヨナラ勝利。まさに神がかり的な快進撃だ。
 同点で迎えた9回2死満塁、0―1からダルビッシュの147キロ直球を強く振り抜くと、高く跳ね上がった打球は三塁手・稲田のグラブの上をすり抜けた。一塁ベースを回ると、もはや西武ドームでは恒例となったウオーターシャワーの祝福。びしょ濡れになったヒーローはベンチ裏で8回を投げ抜いた涌井から「せこいねーあのヒット」と言われながらも、固い握手を交わした。「初球はボールで悪いカウントにはできないと思って、真っすぐを狙った」。自らの“クモの巣”へダルビッシュをたぐり寄せて満足げだ。
 渡辺監督の思いに応えたかった。8回の攻撃前に今季初めて指揮官自らが円陣を組んだ。そこで「ダルビッシュを打ち崩せるのはウチしかいない。へし折ってこい」と選手を叱咤(しった)激励。思い通りの展開に渡辺監督は「野手の気持ちを奮い立たせたかった。心拍数が上がった?そうだね」と笑みを見せた。
 怒とうの4連勝で、この9連戦は7勝2敗と大きく勝ち越し。貯金を今季最多の11とし、2位・日本ハムと5ゲーム差に広げた。「いい雰囲気でやっている」と片岡。この勢い、もはやフロックではない。

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2008年5月8日のニュース