阪神ファンが妨害?ラミレス幻の逆転3ラン

[ 2008年5月8日 06:00 ]

<巨・神>7回1死一、二塁、ラミレスの“幻の3ラン”について審判団に抗議する原監督

 【巨人4―5阪神】“神の手”に逆転3ランをはね返された!?巨人は7日、阪神戦の2点を追う7回1死一、二塁からアレックス・ラミレス外野手(33)が左翼へ放った本塁打性の打球が、阪神ファンの妨害を受け二塁打と判定される不運。これが響いて1点差で惜敗した。後味の悪い連敗で、首位・阪神とのゲーム差は今季最大の8・5。早くも正念場を迎えた。

 誰もが目を疑った。低い弾道で左翼席へ向かって飛んだラミレスの一撃は、スタンドから身を乗り出した阪神ファンの手に当たり、角度を変え失速したように見えた。打球はフェンスの最上部に当たってグラウンドにポトリ。すぐさま真鍋三塁塁審はボールデッドを宣告した。巨人ファンの「ホームラン!」の大合唱が響く中で協議した審判団の判定は「二塁打」。顔を赤らめ、目をむき出しにした原監督の猛抗議も実らず、試合にも競り負けた。
 問題の場面は2点を追う7回1死一、二塁。初回に先制の9号2ランを放っているラミレスが阪神・能見の甘いスライダーを強振した。本塁打の判定なら、もちろん逆転3ラン。結果的に“10人目の野手”に阻まれた格好となった。試合後、原監督は「こっちは必死に(判定を)覆すべくグラウンドで全力を出した(抗議した)わけだから。そんなこと言ってもね…」と言葉の端々に不満をにじませた。本塁打ではリーグ単独トップとなったラミレスも「非常に厳しい判定。あれが本塁打なら逆転して勝っていた」と複雑な表情で振り返った。
 左翼席で手を伸ばした20代の男性ファンは「(打球は)手に当たってない。横をすり抜けてフェンスに直接当たった」と証言したが、審判団は妨害行為については認めている。真鍋塁審は「ファンの手に当たったというのを確認した上で、当たらなくてもフェンスを越えていなかった、という判断。打球に近かった私が判断した」と説明した。
 “幻の逆転弾”は確かに不運だったが、序盤から運気を逃すような拙攻、ミスを連発したのも事実だ。2回は無死満塁で無得点。4回は無死一、二塁から代打・加藤が送りバントに失敗し、結局、無得点に終わった。7回はラミレスの“二塁打”で1点差となり、なお1死満塁でゴンザレスが右前に運んだが、一塁走者の阿部が二塁封殺(記録は右ゴロ)されるなどして同点止まり。試合全体に関しては原監督も「しつこい勝負をする集団にならなければいけない」と話した。
 3日からの9連戦でヤクルトに3連勝した勢いはなく、阪神に連敗。借金3で、3位ながら首位とのゲーム差は8・5となった。阪神には4連敗。9日からは2勝4敗と分が悪い2位・中日との3連戦も控える。開幕から上位2強で黒星を重ねているが「われわれは同じ状態で試合に臨んでいる」と原監督。過去は過去として気持ちを切り替え、前を向くしかない。

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2008年5月8日のニュース