アニキこれが男だ!頭に死球後、お返し一発

[ 2008年5月8日 06:00 ]

3回表、阪神2死、木佐貫が金本(中央下)に頭部死球を与える

 【阪神5-4巨人】だから「鉄人」と呼ばれるのだろう。1点リードの6回1死。門倉のフォークを振り抜いた阪神・金本の打球が右翼席に突き刺さる。5号ソロ。何事もなかったように4番はダイヤモンドを一周した。

 「少し泳いだけど、うまく残して打てたよ」
 球団史上初の400号に王手をかける本塁打は、普通の一発ではなかった。3回2死。カウント2―1からの4球目、木佐貫が投げた141キロの直球がすっぽ抜け、後ろを向きながら避けた金本の後頭部を直撃した。関西弁の怒号が飛び交う中、約3分間も打席付近でうずくまっていた。
 「もろやったな。意識はずっとあったけど、立ち上がるのは怖かった。経験上、ああいう時はふらっとするから」
 ベンチでアイシング治療を終えると、不死鳥のごとくベンチから姿を現した。謝罪した一塁・小笠原に手を振って「ええよ」と合図。手負いの状態ながらも、次の打席は弾丸アーチで即お返し。鉄人ならではの“報復”で生きざまを魅せた。
 岡田監督は「(6回は)4球とも全部変化球。インコースに来ないのは分かっとるし、ベテランの読みと気持ちやな」と舌を巻く。チームも3連勝で貯金14。金本は試合後、都内の病院へ直行し、CT検査の結果「左後頭部打撲」と診断された。「あれは威嚇した球でもないし、故意でもない。オレは何でもない。大丈夫だから」。試合後でさえも、アニキの心意気にあふれていた。

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2008年5月8日のニュース