聖望学園 関東対決制し決勝進出

[ 2008年4月4日 06:00 ]

<聖望学園・千葉経大付>最後の打者を三振に打ち取り雄叫びを上げる聖望学園・大塚

 第80回センバツ高校野球第13日は3日、準決勝2試合が行われた。15年ぶりの準決勝“関東対決”となった第1試合は、初出場の聖望学園(埼玉)が千葉経大付(千葉)を4―2で振り切り、埼玉県勢では大宮東以来15年ぶりの決勝進出を決めた。決勝は、4日午後0時30分から行われる。

 【聖望学園4-2千葉経大付】2点差の9回2死二塁。最後は大塚から笑顔が消えていた。それでもこん身のカットボールで重谷からこの日8個目の三振を奪い派手なガッツポーズとともに、初陣で決勝の切符を手に入れた。
 「さすがに9回は疲れました。でも最後は三振を狙いました」
 序盤は最高の滑り出し。2回までに味方が3点を先行すると準々決勝の平安戦同様、5回まで千葉経大付を無安打に抑えた。だが3試合で356球を投げた疲労から、後半は球威が衰え始めた速球を痛打された。9回には連打で無死一、三塁のピンチ。1失点後、気迫の3者連続三振に斬ったが、4―2と冷や汗の勝利だった。
 大塚の力投を支えているのは斎藤(早大)が06年、早実で全国制覇時に使用した疲労回復用の高気圧酸素カプセル(通称ベッカムカプセル)だ。昨年から同校で使い始めた“助っ人”を今回は埼玉から持ち込んでいる。毎晩使用する右腕は「カプセルの中で寝てます」と苦笑いするが、その効果を実感する日々に決勝に向けても「疲れは関係ない。重圧もありません」と気合を入れ直した。
 エースに引っ張られ、波に乗る聖望学園。04年の済美(愛媛)以来、17校目となる初出場初Vの快挙と、県勢40年ぶりのセンバツ制覇をはっきり視界にとらえた。
 <千葉経大付>斎藤の目に涙がにじんだ。「課題の立ち上がりで制球が乱れた」。初戦から1人で投げ抜いてきた疲労が抜けきれず、初回1死から3連続四球などで失点。2回にも暴投で追加点を許した。朝は球場入りするバスの中で「絶対完封する!」とマイクで宣言したが7回104球を投げたところで降板。「最後まで投げたかった」と肩を落とした。「2回までのミスがすべて。自滅だ。甲子園でミスをしたら勝てないということ」と松本監督。ナインは甲子園の土は持ち帰らなかった。「夏に必ず戻ってくる」斎藤の大きな背中に決意がみなぎっていた。

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2008年4月4日のニュース