松井秀 「ホッとした」今季初安打

[ 2008年4月4日 06:00 ]

<ヤンキース・ブルージェイズ>5回、松井秀は今季初安打を中前に放つ

 【ヤンキース2-5ブルージェイズ】ヤンキースの松井秀喜外野手(33)が2日(日本時間3日)、ブルージェイズ戦で今季初安打を放った。5回の第2打席で鋭い中前打。オープン戦を含めると17打席ぶりの快音で、27日の結婚発表後、初めてスコアボードに「H」ランプをともした。チームは2―5で今季初黒星を喫したが、逆襲のゴジラが完全復活への第一歩を踏み出した。

 うなりを上げるバーネットの153キロ剛速球を、松井のバットが打ち砕いた。5回2死無走者で迎えた第2打席、カウント2―2から低めの直球を一閃(いっせん)。鋭い打球が中前へ抜けると、今季で見納めとなるヤンキースタジアムおなじみの「hit deki」が電光掲示板に輝いた。今季5打席目の初安打。オープン戦も含めれば6試合17打席ぶりの快音だった。
 「甘いストレートだけど、いいスイングだった。多少はホッとする部分がありますよね」。チームは2―5で敗れて喜びは半減も、この一打が27日に結婚を発表した新妻に届ける初安打となった。
 この日は一度、8番・DHと発表されたが、正捕手ポサダが右肩痛を訴えて欠場したため、急きょ7番に繰り上がった。また、試合前には地元の石川県能美市が招待した2家族から直接激励を受け、辰口温泉の入浴剤や、能美市産の芋焼酎「のみよし」が差し入れられた。ニューヨークは前日の最低気温16度の陽気から一転、5度まで冷え込み、手術明けの右ひざには悪条件だったが、何とか1安打を放ち、ベンチと故郷のファンの期待に応えた。
 3点を追う9回2死一、三塁のチャンスではネクストバッターズサークルで試合終了を迎えた。カノが出塁すれば、一発逆転の場面での打席だっただけに「相手の先発(バーネット)がよかった。打ち崩せなかった」と悔しさを隠さなかった。就任初黒星を喫したジラルディ監督も「負けるって最低だな。勝つために来ているからな」と話した。笑顔なき今季初安打。敗戦の中でつかんだ確かな手応えを、今度こそチームの勝利につなげる。

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2008年4月4日のニュース