守護神不在もマー君完投なら問題なし

[ 2008年3月22日 06:00 ]

練習中に草野(右)とじゃれ合う田中

 開幕したパ・リーグが休養日を挟み、22日に再開。20日のソフトバンク1回戦(ヤフードーム)で逆転サヨナラ負けを喫した楽天は、昨年の新人王・田中将大投手(19)に“完投指令”を発した。昨年5勝1敗のお得意さま相手に、チームと自身の今季初白星を目指す。

 グラウンドから引き揚げてくる田中をチラリと見上げた野村監督がつぶやいた。守護神・ドミンゴが、ソフトバンク・柴原に逆転サヨナラ弾を浴びた屈辱の開幕黒星。2年目右腕への要求は、もちろん完投勝利だ。
 「ドミンゴと心中は嫌だけど岩隈、田中ならいい。マー君は痛いかゆいと言わんし“まだ行けます、まだ大丈夫です”って言うから頼もしいわい」
 エース岩隈が7回1失点と好投しながら敗れた開幕戦。指揮官は「一番、嫌な負け方だった」と前夜と同じ言葉を繰り返した。最も不安だった絶対的守護神の不在。悪夢を振り払うには、22日の第2戦に先発する田中が完投するのが手っ取り早い。この日、ブルペン入りした田中は自身の“開幕”に「1年間やってきたのでその分の余裕はある。去年と違うのは責任感。求められているものは違う。そこはしっかり自覚を持って投げたい」と燃えた。
 チームの今季初勝利と自身の2年目初白星へ、がっちりと“足場固め”する。秘密兵器はスパイクだ。昨秋から契約するアディダスジャパン社が用意したのはチタン製の歯を使用した特注品。チタンは鋼鉄より強度が高い一方、質量は鋼鉄の約45%と軽量素材だ。一般的な投手のスパイクは歯の長さが10ミリ~12ミリだが、より地面を踏みしめる力が伝わるように田中は13ミリを採用。長さと重さの問題解決のために生み出された球界初のチタン歯スパイクで鷹狩りを目指す。
 完投指令に「そんな簡単に言いますけど…」と苦笑いしたが異存はない。昨年の新人王はもう過去の話といわんばかりに、田中がしっかりと地に足をつけて2年目のスタートを切る。

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2008年3月22日のニュース