松坂 凱旋開幕で完投したい

[ 2008年3月22日 06:00 ]

大勢の報道陣が待ち受ける中、久しぶりに東京ドームのグランドに足を踏み入れる松坂

 レッドソックスの松坂大輔投手(27)が21日、開幕投手を務める25日アスレチックス戦(東京ドーム)での“完投”を誓った。首脳陣の球数制限についてあらためて制限撤廃を要望。オープン戦から球数減に取り組んできた成果を発揮し、マウンドに立ち続ける決意を示した。

 世界一トロフィー、そして日米報道陣100人を前にした壇上で松坂は宣言した。「ファンのみなさんも思っていると思うし、僕自身も…いや僕自身が一番、長いイニングを投げたいと思っています」。凱旋登板で開幕投手を務める。3月25日に懸ける強い決意は事実上の完投宣言に表れた。
 例年より1週間早い3月の公式戦ということもあり、首脳陣は90球で交代させる方針を打ち出している。この日の会見でもフランコナ監督は「開幕直後の投手は100%肩ができていない。今回無理をしてしまって8月に調子が良くないのはチームにとって良くない」と球数制限への理解を求めた。だが、松坂は「ここ2日(22、23日)の間にピッチングをして、その時に話すことになる」と制限撤廃を強く要望する覚悟だ。
 そのための準備も進めてきた。昨年は1試合平均(9イニング換算)153球を要したが、今オープン戦は同138球まで減らすことに成功した。新球ツーシームを駆使し、早いカウントで勝負する意識を徹底。最後の2試合に限れば1試合換算で120球以内と“完投ペース”を実現した。「オープン戦では球数を意識した投球をしてきた。練習通りに試合で出せることができれば、おのずと長いイニングを投げられるようになると思う。ぜひそうしたい」。イメージは出来上がっている。
 この日は約30メートルの距離から強いキャッチボールを行い、投内連係のノックでも軽快な動きをみせた。約16時間30分のフライトも「今のところ時差ボケも大丈夫」と笑い飛ばした。松坂は日本時代に3月の試合で3度も完投した実績がある。体調面に問題がなければ、首脳陣も心配する必要はない。
 プロ初勝利の思い出も詰まった東京ドーム。「家族も“頑張って”と送り出してくれましたし、最高の結果をボストンに持って帰りたいと思います」。松坂にとって、3月25日は“162試合分の1”ではない。

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2008年3月22日のニュース