アイルランド代表引退…123キャップの偉人・ベスト主将に両軍の花道 

[ 2019年10月19日 22:34 ]

W杯準々決勝   アイルランド 14 ―46ニュージーランド ( 2019年10月19日    味スタ )

<ニュージーランド・アイルランド>試合を終え、両チームのの選手に見送られるアイルランド・ベスト(中央)(撮影・吉田 剛)
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 レジェンドの“サヨナラ・スピーチ”を、アイルランドのファンは聞きたくなかったのかもしれない。ニュージーランド代表に14―46で敗れたフッカー・ロリー・ベスト主将(37)がインタビュー・エリアに登場すると、大歓声に包まれた。途切れることのない声の波に、しゃべるタイミングがなかなか見つからない。マイクに近付いては、2度、3度と、さえぎられた。声の勢いが弱まったところで、思いを口にした。

 花道ができていた。

 オールブラックス(ニュージーランド代表)、次いで仲間たちが待っていた。黒と緑の列を拍手を浴びながら抜け、自身のW杯に別れを告げた。123キャップの偉人はこれで代表を引退する。
 「これからは、サポーターとしてでないとこの緑のユニホームを着られないかと思うと、悲しい」

 ミスが重なった。前半20分までに4つのハンドリングエラーが出た。タッチキックのミスもあった。破壊力抜群のFWが前に出られない。逆に波状攻撃にさらされた。前半は0―22と打ちのめされ、試合の流れが決まった。

 「ロッカールームは全く音がないほど静かで、大きい男が涙していた。身も心も捧げた試合でこういう結果になると…」

 オールブラックスには、昨年11月の対戦ではトライを許さずに16―9で勝っていた。世界ランキング1位で開幕を迎え、前評判は高かった。しかし、1次リーグで日本に敗れ、準々決勝はまさかの7トライを奪われ大敗。V候補が、名選手とともに姿を消した。 

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