【大畑大介 レジェンド展望】恩師・平尾さん命日の一戦 山中の「キック封じ」が鍵

[ 2019年10月19日 10:00 ]

ラグビーW杯2019 準々決勝   日本―南アフリカ ( 2019年10月20日    味スタ )

南アフリカ戦で大畑氏がキーマンに挙げる山中
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 テストマッチのトライ数世界記録保持者で、日本人2人目のワールドラグビー殿堂入りをした大畑大介氏(43)が準々決勝・南アフリカ戦の展望を語った。16年10月20日に亡くなった元日本代表監督、平尾誠二さんの命日に行われる一戦。神戸製鋼で教えを受けたFB山中亮平(31)が南アフリカのキック戦術を封じるキーマンだと指名した。

 南アフリカの戦い方は明解だ。大きなFWをぶつけて、外にいるスピードある選手に回す。非常に効率がいいラグビーをしてくる。

 外にいる両WTBのコルビとマピンピはスピードがある。特にコルビは要注意だ。

 決定力がある両翼に回さないために、日本は出足速く間合いを詰め、外に回る前に止める手が考えられる。しかし、詰めれば外にスペースができる。SOポラードがキックでそこを狙うだろう。

 すなわち、何かができれば勝てるという相手ではない。セットプレーも強力で、控えも一線級ばかりだ。とはいえ、悲観材料ばかりではなく、アイルランドとスコットランドを封じた「ダブルタックル」と、体の強さは十分に対抗できる。

 期待したいのは、FB山中。10月20日は、恩人である平尾誠二さんの命日。特別な思いがあるはずで、ラグビーは気持ちが大きく左右する競技だ。9月の対戦で日本はキック処理に不安を残しただけに、相手は空中戦を仕掛けてくる。キックキャッチでも長身1メートル88の山中が担う役割は大きい。

 攻撃は、スコットランド戦のような継続が基本になる。9月の対戦でも高速の展開でチャンスをつくっている。W杯4試合で高速アタックに磨きがかかり、キックやオフロードパス(タックルを受けながらつなぐ)を織り交ぜ、バリエーションが増えている。大胆かつ繊細に戦えば、勝機はある。(ワールドラグビー殿堂入り、19年W杯アンバサダー)

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2019年10月19日のニュース