奥原3年ぶりV王手、茜と決勝 迫力増す七三“勝負ヘア”

[ 2018年12月2日 05:30 ]

バドミントン全日本総合選手権第5日 ( 2018年12月1日    駒沢体育館 )

第1セット、軽快な動きでシャトルを打ち返す奥原(撮影・白鳥 佳樹)
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 準決勝が行われ、女子シングルスは世界ランク5位で16年リオ五輪銅メダリストの奥原希望(23=日本ユニシス)が順当に勝ち、3年ぶり3度目の優勝に王手をかけた。2日の決勝では世界ランク2位のライバル・山口茜(21=再春館製薬所)と対戦する。男子シングルス世界ランク1位の桃田賢斗(24=NTT東日本)は相手選手の発熱による棄権で、決勝進出が決まった。

 奥原が吠えた。第2ゲーム、2点差に詰め寄られた15―13の場面。強気に攻めて相手のミスを誘うと、左拳を握りしめて感情を爆発させた。「勝ちが近づいていながら詰め寄られてしまった。焦らずもう一回、目の前の1点に集中しよう」。最後は5連続ポイントでフィニッシュ。1回戦から1ゲームも落とさず、3年ぶりの優勝へ王手をかけた。

 気持ちを前面に押し出した。初対戦の相手に強打を繰り出し第1ゲームを21―11で料理。第2ゲームも食い下がる相手を振り切った。「きれいに勝つ、きれいにラリーを配球する勝ち方もある。でも、その勝ち方では通用しない」。全日本は世界転戦で疲弊した日本代表選手に、体調をピークに合わせた国内選手が挑戦する構図。格下に隙を見せれば一気に崩れることは分かっている。だからこそ目の前の相手を全力でつぶした。

 五輪銅メダリストが、そこまで燃えるわけがある。全日本総合は15年を最後に優勝から遠ざかる。16年は右肩、17年には右膝が悲鳴を上げ、直近2年とも途中棄権した。だからこそ、喉から手が出るほど欲しいタイトルだ。「女子シングルスを引っ張る立場だと証明できる大会にしたい」。髪形はジェルで固めた七三スタイル。9月のアジア転戦から採用する“勝負ヘア”も迫力を増している。

 決勝ではリオ五輪でも対戦した山口と激突する。全日本総合の決勝での対決は初めて。「茜ちゃんとの対戦は厳しい戦いになる。しっかり気を引き締めて準備しないと」。最大のライバルを蹴散らし、真の女王の座をつかみ取る。

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2018年12月2日のニュース