カー娘、史上初4強!ガックリのち笑顔 完敗15分後に吉報

[ 2018年2月22日 05:30 ]

平昌冬季五輪 カーリング女子1次リーグ   日本4―8スイス ( 2018年2月21日 )

試合後に準決勝進出が決まり、笑顔のカーリング女子・吉田知(左)と藤沢
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 女子1次リーグ最終戦で世界ランク6位の日本(LS北見)は、同2位のスイスに4―8で敗れて通算5勝4敗となったものの、男女を通じて初の4強入りを決めた。最後の1枠を争った米国がスウェーデンに敗れたため。98年長野五輪から6大会目で、ようやく壁を打ち破った。23日の準決勝は韓国と対戦する。

 日本カーリング界の新たな一ページは、喜びよりも悔しさとともに刻まれた。日本がスイスに敗れた約15分後、4強の最後の1枠を争っていた米国がスウェーデンに敗れ1次リーグ突破が決定。スキップの藤沢は「勝ち取ったセミファイナルというよりかは、ラッキーなセミファイナル」と本心を明かした。

 チームの最終2投を任される藤沢のショットが精度を欠き、第4エンドに大量4点を奪われて厳しい状況に追い込まれた。サードの吉田知はショット成功率72%と振るわず、試合後に号泣。「泣きたくなるくらい決まっていなかった」と何度も涙を拭った。

 10年8月、本橋がLS北見を創設。チームをつくる約半年前、バンクーバーで8位と惨敗を喫した。大会中、金メダルを獲得したスウェーデンの選手がピンチでも笑顔を見せながらプレーし、切り抜けたシーンが本橋の心に刻まれた。「ピンチでもリラックスできるから力が発揮できる。笑顔の絶えない、(精神面で)簡単に崩れないチームを」。LS北見には、そんな思いを込めた。

 14年ソチは出場を逃したが、中部電力を日本選手権4連覇に導いた経験を持つ藤沢と、北海道銀行でソチ出場の吉田知が加入して急成長。吉田夕、鈴木が的確な布石を打ち、吉田知が司令塔の藤沢につなぐ。今大会参加10チーム中、1メートル54の平均身長は最小。「小さくても強いって意味で“横綱感”を出していきたい」という藤沢の言葉通り、LS北見が夢舞台で大きな存在感を発揮している。

 史上初の1次リーグ突破で歴史をつくっても、ここがゴールではない。23日の準決勝では、1次リーグで7―5と勝利した韓国と対戦する。勝てば25日の決勝、負ければ24日の3位決定戦に回る。「泣いても笑ってもあと2試合。もう、やるっきゃない」と藤沢。氷上にトレードマークの笑みが咲いた時、世界の頂が見えてくる。

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2018年2月22日のニュース