カー侍“韓敗”で4強ならず 両角友「五輪の魔物ですかね」

[ 2018年2月22日 05:30 ]

平昌冬季五輪 カーリング男子1次リーグ   日本4―10韓国 ( 2018年2月21日 )

1次リーグ敗退が決まり、韓国選手と握手する両角友(左から4人目)ら日本
Photo By 共同

 スキップの両角友佑が右手を差し出し、韓国の選手に握手を求めた。相手への敬意、そしてギブアップの意志を示した。4―10となった第8エンドで、日本男子20年ぶりの五輪は終わった。開催国に対する大歓声の中、敗北を受け入れた司令塔は、「勝ちたい試合でこうなってしまったのは残念。これが今の実力。もっとインパクトを残したかった」と表情を変えずに淡々と振り返った。

 勝てば準決勝進出決定戦に望みをつなげた一戦で、致命的なミスが出た。第6エンド、韓国のストーンが円心付近に3つ密集する大ピンチ。「ちょっと外っぽくて、まあダメだなと思った」という両角友のラストショットが狙いから大きく外れ、大量4点を奪われた。他のショットでも精度を欠いて成功率も72%にとどまり、「五輪の魔物ですかね、今さらだけど」と自嘲気味に笑った。

 98年長野五輪を観戦したことがきっかけで、中学1年で本格的にカーリングを始めた。中学3年の冬には、高校受験を控えていながら中国遠征に行った。母・玲子さんは「入試前だから行かない子もいたけど、友佑は中国に行った。それを見て、ああこの子の人生はカーリングなんだと思った」と振り返る。高校1年時に103キロの肥満少年は体重を絞り、知恵を絞り、スキップとして成長して夢の舞台に立っていた。

 ハウス内にストーンをためる攻撃的なカーリングが信条。「自分たちがやりたいプレーはできた」。競技に集中できた今の環境のまま、今のチームメートと22年北京を目指すことができるかは、今後の話し合い次第。「もうちょっとうまく投げられるようになって(五輪に)帰ってこられるのであれば帰ってきたい」。夢舞台の幕は閉じたが、司令塔の研鑽の日々に終わりはない。

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2018年2月22日のニュース