高木姉妹の父・愛徳さん 美帆&菜那へ「次世代の子供たちの手本になって」

[ 2018年2月22日 08:30 ]

平昌冬季五輪 スピードスケート女子団体追い抜き ( 2018年2月21日 )

高木菜那、美帆姉妹の似顔絵入り横断幕を持って応援する兄・大輔さん(左)と父・愛徳さん
Photo By 共同

 高木姉妹が苦難を乗り越え、栄光をつかんだ。父・愛徳(よしのり)さん(60)は、本紙に寄せた独占手記で娘たちへの思いをつづるとともに、今後の人生に向けた言葉を贈った。

 4人が力を合わせて獲った金メダルだと思います。お疲れさまと言いたいです。

 ソチ五輪選考会の落選が美帆にとって分岐点だったと思います。バンクーバー五輪の時は五輪に出場できると考えてもいなくて、あれよあれよという感じで出場することになりました。その後の4年間は毎年シニアの大会に出場していました。そんなこともあって、心のどこかに“きっといける”という甘い考えがあったのかもしれません。

 ソチ五輪から半年ぐらい経過したある時、長男の大輔が「(今の美帆では)五輪に行っても同じことの繰り返し。今までの延長線上でしかない」というようなことを言っていたような気がします。そこで自分のスケートに対しての甘さに気づき、練習に打ち込む姿勢に変化が表れたのではないでしょうか。挫折を経験し、つらくなっても諦めず、試行錯誤しながら自分の体形に合ったスケーティングを見いだしたから今があるのではないでしょうか。以前、大輔と妻と3人で話したことがあります。美帆が本気モードになったら、どうなるだろうと。それが今、現実となって現れているのかもしれません。

 姉の菜那は決して恵まれた体形ではないですが、人一倍五輪に対しての思いは強いです。時には挫折もあったかもしれません。でも、自分の夢に向かって歩んできたからこそ、今回の五輪出場がかなったのだと思います。2人そろって平昌五輪に出場する姿を見てうれしいし、安堵(あんど)しています。“親バカ”かな。同じ競技をしていると、どうしても上手な子の方をひいきしがちになりますが、姉妹で同じ夢・目標に向かって進んでいる限り、親として分け隔てることなく応援していきたいです。

 これからも親として菜那、美帆にプレッシャーをかけることはしません。ただただ応援するだけ。2人にはケガをせず頑張ってほしい。頑張っている姿を見るだけでうれしいものです。同じ競技を姉妹で行うということで、姉妹でなければできないメリットを出して頑張ってほしいです。ただ、親として彼女たちに望むのは、次世代の子供たちの手本になってほしいということ。2人の姿を見て自分も2人のようになりたいと思われるような人に。そんな言葉を聞くとうれしいです。

 私もこれからは、なにか子供たちの役に立つようなことをやっていきたいです。 (父・高木 愛徳)

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