【初代・栃東手記】栃ノ心、辛抱して諦めない―部屋の伝統が優勝につながった

[ 2018年1月28日 08:18 ]

大相撲初場所14日目 ( 2018年1月27日    東京・両国国技館 )

初代栃東の志賀駿男氏
Photo By スポニチ

 春日野部屋の力士が優勝するのは46年ぶりと聞いて意外な気がしました。私の場合、千秋楽に4敗で並んでいた福の花さんと琴桜さんが負けて、たまたま優勝できた。それまでは、決定戦まで行けたらいいなというくらいで、優勝なんて考えもしなかった。でも、栃ノ心は優勝争いをリードして手にした賜杯。内容が全然違います。

 ただ、似ているところもあります。栃ノ心は膝のケガで幕下まで落ちて、そこからはい上がってきた。私は肝炎や膝のケガで番付を落とし、いつやめても不思議ではない状態から抜け出して勝ちました。それができたのは、師匠の春日野親方(元横綱・栃錦)の教えが大きかった。親方からは常に「やってるうちは絶対に諦めるな。辛抱して辛抱して諦めずにやってればいつか結果が出る」と言われていました。その師匠の指導、春日野部屋の伝統が栃ノ心の優勝につながったのではないかと思います。

 栃ノ心は体さえ問題がなければ上を目指せる。あとは膝のケガと、どううまく付き合っていくかでしょうね。(元関脇・栃東、先代玉ノ井親方)

続きを表示

この記事のフォト

2018年1月28日のニュース