宇野 コケて銀 初V逃すも「安心した」、平昌用構成に手応え

[ 2018年1月28日 05:30 ]

フィギュアスケート四大陸選手権最終日 ( 2018年1月27日    台湾・台北 )

四大陸選手権男子フリー、黄色の衣装を着て滑る宇野(撮影・小海途 良幹)
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 男子フリーがあり、ショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(20=トヨタ自動車)は4回転フリップの転倒が響き、197・45点の合計297・94点で2位だった。優勝は、4本の4回転ジャンプを決めた金博洋(20=中国)で合計300・95点だった。五輪代表の田中刑事(23=倉敷芸術科学大大学院)は、合計260・31点で4位だった。

 1つのミスが命取りになる。五輪前最後の大会で、大きな教訓を得た。宇野は最初の4回転ループに成功し、続く4回転フリップで転倒。これが、逆転負けを許す要因になった。

 それでも「(4回転)ループとフリップは、どちらか成功すると、どちらかを失敗していた。ただ、じゃんけんに負けてしまったと考えた」と、自分を客観的に見る余裕があった。後半に挽回。演技後に「安心した気持ち」と崩れ落ちたように充実感があった。

 「今シーズンは課題、課題、課題で、いいかげん、課題のない試合をしたい。その中では、今シーズンで一番いい試合だったと思う」

 今回が五輪用フリーの構成だった。昨年末の全日本選手権からの変更は、基礎点が1・1倍になる演技後半にあった4回転フリップを、前半に組み込んだこと。これにより、「気持ちが楽になる。後半が(神経を使うジャンプが)3回転半と4回転トーループだけなので」と、精神的な負担を減らしていた。

 狙いは的中し、この日は2本の4回転トーループを成功させた。GOE(出来栄え評価)による加点も得た。実は4回転トーループは「一番ネック」。樋口美穂子コーチ(48)は「後半というのもあって、疲れていて跳べないというのがある」と語ったように、ここまで4試合連続で2本のうちのどちらかを失敗していた。心を軽くして体も軽くなったか、5試合ぶりに2本とも成功させ「後半のトーループを跳べてうれしかった」と目尻を下げた。

 上半身が黄色の新衣装で登場した。金色にも見える装いは狙うメダルの色を連想させたが、「五輪は(従来の)青を着るので今回きりです」と本番用を否定。前髪を固めたワイルドな新ヘアスタイルも「気に入っていません」と語り、“変化”は1日限定だとした。目指すは世界の頂点。信じた道を突き進む。

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