桃田リオ五輪アウト…闇カジノ認めた バド協会「推薦できない」

[ 2016年4月8日 05:30 ]

遠征先のマレーシアから帰国した田児賢一(左)と桃田賢斗

 バドミントン男子シングルスのエース・桃田賢斗(21)と12年ロンドン五輪代表の田児(たご)賢一(26=ともにNTT東日本)が東京・錦糸町の違法カジノ店でバカラ賭博をしていたことが7日、分かった。桃田はリオデジャネイロ五輪代表を確実にしていたが、日本バドミントン協会は日本オリンピック委員会(JOC)に代表として推薦しない方針を明かし、夢舞台への道は閉ざされた。渦中の2人は8日、都内で会見する。

 桃田と田児はマレーシアで国際大会に出場していた。田児は5日の予選で敗退、桃田は6日の1回戦を突破したが、2回戦は棄権して、この日の早朝にともに緊急帰国。成田空港の到着ロビーに現れた2人はマスク姿で報道陣の問いかけには応じず、タクシーに乗り込んだ。

 東京都新宿区のNTT東日本本社で聞き取り調査を受け、違法カジノ店で賭博をしたことを認めた。この店は昨年、警視庁の捜査を受け、賭博開帳図利容疑などで経営者や指定暴力団住吉会系組幹部ら店側の6人が逮捕され、その後に閉店した。暴力団犯罪を捜査する組織犯罪対策4課は、住吉会の資金源になっていたとみている。捜査関係者は「防犯カメラで賭けている姿が写っていたり、本人が賭けたことを認めたりすれば、賭博容疑で立件する可能性もある」と話した。

 この日発表された最新の世界ランクで4位から2位に浮上した桃田は五輪代表入りを確実にしており本番でも有力なメダル候補だった。しかしNTT東日本から報告を受けた日本バドミントン協会の銭谷欽治専務理事(63)は「JOCに推薦できない」とし、リオに出場させない方針を明言。「非常に残念」と声を詰まらせながら、涙を浮かべた。正式な処分は10日の緊急理事会で決定するが協会の規定では処分には最も重い「除名」、「登録抹消」、「競技会への出場停止」などがある。

 プロ野球の巨人の4選手の野球賭博関与に続きまたスポーツ界が激震に見舞われた。くしくも桃田はプロ野球開幕の3月25日、東京ドームでの巨人―ヤクルト戦で始球式を務めていた。8月5日のリオ五輪開幕まで4カ月を切った中での不祥事でダメージは計り知れない。昨年12月のスーパーシリーズ・ファイナル男女シングルスを桃田、奥原希望(21=日本ユニシス)が制覇し女子ダブルスでは高橋礼華(25)松友美佐紀(24=ともに日本ユニシス)が世界ランク1位に君臨。メダルラッシュが期待されたバドミントン界に思わぬ形で逆風が吹いた。

 ≪男子単派遣ゼロに≫▼リオデジャネイロ五輪への道 昨年5月から1年間の国際大会で稼いだポイントによるランキングで、各国・地域に出場枠が振り分けられる。男子シングルスの最大枠は「2」で、1~16位に2人以上がランクインしている場合は2人、1人がランクインしている場合は1人が出場。桃田はリオ出場が確実な位置にいたが、2番手の佐々木翔はランク外のため、桃田が派遣されない場合は日本男子シングルスの出場はなくなる。

続きを表示

この記事のフォト

2016年4月8日のニュース