錦織、ラケット折るハプニングも…4強に望み「いいテニスできた」

[ 2015年11月18日 04:19 ]

2年連続4強へ望みをつなぐ1勝を挙げガッツポーズの錦織(AP)

 男子テニスの今季最終戦、ATPツアー・ファイナル第3日は17日、英国ロンドンのO2アリーナで行われ、シングルス1次リーグA組で世界ランキング8位の錦織圭(25=日清食品)は同6位のトマーシュ・ベルディハ(30=チェコ)に7―5、3―6、6―3で競り勝って1勝1敗とした。

 「あれにはビックリした」と錦織が振り返ったのは試合の山場で起きたハプニングだった。3―3で迎えた最終セットの第7ゲーム。錦織はベルディハにブレークポイントを握られていた。第2サーブに対して強烈なリターンを食らい、必死に体を伸ばして返球。さらに左右に振り回され、最後はベルディハのミスでどうにか難を逃れた。

 次のサーブを打つ寸前、錦織はラケットをじーっと見つめて怪訝な表情。よく見るとフレームの横の部分にひびが入っていた。どうやら直前の必死のラリー中に、コートにラケットをついて折れてしまったようだ。ベルディハが「あのポイントが全てだった」と振り返った分水嶺のポイント。錦織がラケットを折りながらもぎ取った。

 「ポイント中に折れたのは初めて。折れたのにも気づかなかった」と笑った錦織。しっかりと新品のラケットに取り替えてこのゲームをキープ。「大事なゲームを取ってからさらに良くなった」と次のゲームでベルディハのサーブを破り、2時間23分の熱戦にケリをつけた。

 初戦はジョコビッチに大敗を喫したが、この日は「いい感じで自信があって、サーブの入りも良くミスも少なかった」と快調なスタートを切った。第2セットはダブルフォールトでブレークバックを許した第4ゲームから意気消沈。4ゲームを連取されて最終セットにもつれ込んだものの、しぶとく盛り返して約3カ月ぶりにトップ10から白星を挙げた。

 最近は勝ちきれない内容が続いていただけに、不安定さが残る中でも勝った事実を素直に喜んだ。「いいテニスができた。次の大事な試合に向けて、もちろん自信になる」とベスト4進出が懸かる1次リーグ最終戦のフェデラー戦を見据えた。

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2015年11月18日のニュース